何かで1番を!

いま経営コンサルタント業界は競争が激しいのだそうです。
なぜなら大企業を辞めた人がドンドン参入しているから。
経営コンサルタントであろうとも、何かの分野でナンバーワンでないと通用しないのかもしれません。
会社でも個人でもナンバーワンを持っているか否かで、存在感が違ってくるわけです。

中小企業の社長の資産経営は、昔は土地の値上がりで出来たのですが、今は本業で利益を出すしか方法がありません。
そういう意味でも戦略的に上手に経営していかないと、何も残らないということになってしまいます。
経営は10年に1度想定外のことが起こります。
その時のためにもストック(キャッシュ)を蓄えておかねばなりません。
普段から利益を生み出しておかないと、ストックは蓄積できないのです。

利益を生み出すためには、自社の器に合った市場で一番でなければなりません。
「地域」・「商品」・「顧客層」のいずれかで(あるいはすべてで)一番を確保しないと儲からないのです。
どの市場で勝負するかは、社長の性格、過去の経験、自社の経営規模、競争相手の有無などによって違ってきます。
いずれにせよ「地域」、「商品」、「顧客層」を絞って、そこに自社の経営資源を集中しなければならないわけです。

競争相手が多くない分野をスキマ産業と言います。
ニッチな市場でナンバーワンになるのは「儲ける中小企業」になるための必須条件です。
市場範囲を狭くするのは勇気がいります。
また負け商品はカットする必要も出てきます。
少なくとも本業と関係が薄い分野での赤字の商品は、すぐにカットしなければなりません。
ある住宅メーカーは、年商1,000億円ぐらいの時にビール事業を始めました。
積水ハウス大和ハウスなど、本業で自社よりも強い競争相手がごろごろいる時に、本業以外に手を出すのは戦略上大きなマイナスです。
事実、本業の屋台骨までおかしくなってしまいました。

営業エリアを絞って、その範囲で1位になるのが一番勝負が早いかもしれません。
同じ居酒屋を狭いエリアに8店舗出しているところがあるのだそうです。
知名度が上がるし、仕入れもやりやすし、広告効果も抜群です。
じっくり考え「何で一番になるか」を決めることは、経営にとって何よりも大事な最優先事項であるに違いありません。