体を大事に

体が悲鳴を上げているのに、それに気づかずに来ていたことが多かったように思います。
それでも若い時はムリがきくものだから、体の言うことなど聞かずに「やりたいだけやる」のが通用するのです。
通用しなくなるのが、男の場合だと42歳前後の厄年。
体質が根本的に変わってくる時期だし、やはり仕事的に一番頑張らねばならない年代でもあります。

睡眠時間をあまり取らずに頑張るのも要注意。
あとで思わぬ病気という形で、まとまって睡眠を取らなければいけない事態(例えば入院)に陥ることが少なくありません。
いくらでも食べられるといって、好きなだけ食べていては体にいいわけがありません。
「冷えと過食は万病のもと」なのです。
中年太りを許している理由は何もないのです。

飲み過ぎは一番体によくないかもしれません(と、自戒)。
工藤公康投手は現役時代、毎日浴びるほど飲んでいたのですが、医者から「このままいけば投手生命どころか、生命自体が危ない」と宣言され、そこから食生活を本気で改善し始めました。
結果、45歳を過ぎても現役のプロ野球選手として過ごすことができたというわけです。

口が欲しがるものと、体が欲しがるものは違うのですね。
あるいは脳が欲しがっている食事の量と、体が求めている量は違うようです。
早食いすると脳がそのスピードに追いつかず、適量をオーバーしてしまい過食になります。
若い頃はムリでも、還暦を過ぎた人間には、量はコントロールできるはずです。
食事、睡眠、運動など、すべてを自分の体に聞きながら進めていきたいと考えています。

水野南北は江戸時代の運命鑑定家ですが、人相や骨相を研究するため、床屋で3年、風呂屋の三助として3年、火葬場で3年働いた人でもあります。
水野南北は「食は運命を左右する」と看破しました。
もっと言えば「少食こそ開運のカギ」であることを発見したのです。
ただし私自身の経験でも若い時はムリで、これは中年以降に適用されるべき法則だと思います。

食は何かの命を自分のものにしてしまうわけですから、本来もっと厳粛な気持ちで臨むべきなのかもしれません。
「いただきます」は今から食するものの命を「いただく」わけで、いい加減な気持ちで食べていてはいけないと思うのです。