会社四季報を読む

会社四季報』が愛読書という人もいると思うのですが、確かに面白いですね。
会社四季報』を読んでいると上場企業の様々な動きが分かるし、時には当社の経営に非常に役に立つアイデアを得たりします。
有名な会社でも財務内容が意外に悪かったり、あるいは地味な会社なのに莫大なキャッシュを持っていたりします。

製造業は工場や設備への投下資本が大きいので、概ね借入が多いのですが、中には無借金のところがあります。
ファナック」などは有利子負債はゼロなのに、利益剰余金は1兆7千億円近くあります。
歴代の経営者(ファナックに関しては1人の経営者かもしれませんが)が余程優秀でなければ、このような素晴らしいB/Sは作れないと思います。

小売業やレストランチェーンなどで全国展開しているところも、建物や施設への先行投資が必要なので、やはり借入がたくさんあることが多いのです。
そんな中にあって「サンマルクホールディングス」は借入がゼロ。
こういう堅実な会社は安心なので、余裕があれば株を持っておきたいぐらいです。

プロ野球のオーナー会社は、産業の栄枯衰退を表し、最近オーナーになった会社は、「ソフトバンク」、「楽天」、「ディー・エヌ・エー」と、すべてIT関連です。
この財務内容を見てみると、少なくともB/Sでは、ソフトバンク楽天はムチャクチャです。
公開されたデータだし、別に悪意を持って言っているわけでは決してないのですが、B/Sだけで言うならば、ほとんど「継続疑義」(すなわちいつ倒産してもおかしくない)企業に近いような印象を持ちます。

これに対し「ディー・エヌ・エー」は有利子負債ゼロで、利益剰余金が1,300億円もあるのです。
ゲーム一つで、よくここまで儲けたなという感想を持ちますが、それだけ時代が変化していっているということなのでしょう。

私が昔から知っている不動産会社の経営者がいるのですが、この人の会社など東証1部上場企業なのに社員はわずか15名。
東証1部上場企業といえば「新日鉄」や「トヨタ自動車」など、社員数が数万人の会社を思い浮かべますが、街の不動産屋に毛が生えた社員数でも1部上場になっているというのがシビレますね。

会社四季報』を読んでいると、もっと社員数が少ない会社を発見しました。
「ツノダ」という名証2部の会社です。
昔は自転車を作っていたのですが、今は不動産会社になっています。
ここが何と社員5名。
我が社より社員が少ない上場企業には驚きました。