株式投資 その4

銀行預金を資金運用の一手段と考えるならば、0.02%程度の利率では話にならないわけです。
また運用先に困っている銀行にとっても、定期預金はそんなにうれしい話でもないような気がします。
ならば「定期預金の代わりに株の所有を」というのが、今回の株式研究の発端になったとも言えます。
定期預金の替わりなので、安定した配当が一番重要になります。

配当重視なので途中の株価の上げ下げは、いちいち気にしておられません。
「一度買ったら10年間は売らない」方針で株を買うので、これと決めた株があまり上がり過ぎてしまうと、今度は買えなくなってしまうのです。
株を長期保有する場合の最大リスクは、その会社の倒産なのですが、そのためにも財務内容のいい株を選ばなければなりません。

東京電力などは資産株の最有力候補だったわけですが、今回のような想定外のハプニングが起きてしまいました。
また私は以前、飛行機の割引券が欲しかったのでJALの株を持っていたのですが、ものの見事に株券が紙くずとなってしまいました。
こういったマイナスの出来事の予見は、個人の能力では“ほぼ”不可能ではあるのですが、それでもそのリスクを極力小さくすることはできます。
そのためには、まずは財務体質のいい会社を選ぶことです。

「有利子負債」がゼロの会社を『会社四季報』をめくりながら探したのですが、設備が必要な製造業や、土地建物を所有する不動産業には、そういった会社はほとんどありませんでした。
ごくたまに「ファナック」のような無借金で、かつまた業績のいい製造業を見つけることがあったのですが、そういう会社は“やはり”人気が高く、従って株価も高くなり、今度は配当利回りが非常に低くなってしまうのです。

任天堂などは抜群の財務体質を持っているのですが(数千億円のキャッシュがあります)、株価は商品のヒットに左右され、ヒットが出ないと株価が数分の1に下がってしまうという現象が実際に起こりました。
これではとてもじゃないけれど「定期預金」の代わりにはならないわけです。

全国展開している小売業も、財務内容はあまり良くなかったように思います。
やはり店舗経費が嵩(かさ)むのかもしれません。
私が知っている小売業の経営者の人から聞いた話ですが「先行投資しながら全国展開していくと借入が膨れ上がり、その資金の回収のため上場せざるを得なかった」とのことでした。