その時点その時点では判断がつかないことも、後から振り返ってみると正解が分かってくることが多いのです。
例えば昭和末期バブル崩壊のあと、不良債権を抱えた金融機関を国が救済すべきかどうかで、ずい分議論がされたことがあったように思います。
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「放漫経営をした金融機関に公的資金を投入するのはけしからん」との反対論も多かったのですが、結局は資金投入。
結果、これが正解で、最終的に「りそな銀行」を国有化したあたりから、経済不安が収まってきたという記憶があります。
むしろ躊躇なくもっと早い段階で手を打っていれば、経済への悪影響はもっと少なかったとも言われています。
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その頃の私は自分の会社の危機を乗り切るのに精いっぱいで、マクロの経済状況にまで目が行かず、あまりよく覚えていないのです。
今のように経済の動きに興味を持っていたなら、もっと鮮明に様々な出来事を記憶していたはずです。
めったに経験することがない経済の激動期を、もっとよく観察しとけばよかったと、今となっては少々残念に思っています。
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同じように、今の時点で判断がつかないいくつかの大きな課題があります。
TPPや原発や、あるいは核武装の問題です。
TPPなど自分がどの産業に従事しているかによって、賛成反対が決まってくると思います。
しかし客観的な大きな観点から見た場合、TPPが日本にとって必要かどうかの判断は私には出来ませんでした。
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しかし最近TPPの本質が分かってきたのです。
それは「対中国包囲網」だということ。
TPPには知的財産権や人権の項目が入っているので、中国はTPPに参加できないのです。
TPPを単に経済の問題として捉(とら)えると、判断を誤ってしまうということです。
従って「TPP推進」が正解であったと、後世判定されるのではないかという気がしています。
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原発再稼働も国論を二分する問題ですが、原発なしでは日本経済は成り立って行かないのも事実です。
原発をやめると、確か一世帯当たり8万円ぐらいの電力料金の値上げがのしかかるのです(その分いまは電力会社が赤字という形で負担しているわけですが)。
これではやっていけるわけがありません。
広島や長崎は福島の1,000万倍の放射能でしたが、除染などせずとも、立派に復興繁栄しました。
ラジウム温泉は体にいいとされていますが、これなど温泉から放射能が出ているということでもあります。
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本をたくさん読んでいると、世の中には本質を的確に見抜くことが出来る人がいることが分かります。
私は自分に判断できない問題は、その人たちの考えを参考にすることにしています。
今は全体的にアンチ原発の雰囲気があるのですが「日本は世界一安全な原子力発電を目指していき、最大活用していくべきだ」が、私が信頼している著者たちの共通した意見なのです。