首相がコロコロ変わると独裁になりようがない

日本の場合は首相がコロコロと変わり、それがリーダーシップの欠如として、よく問題にされます。
会社の社長だって、1年以内にドンドン交代していっていると、腰を落ち着けた良い仕事が出来るわけがないので、私も「首相コロコロ」は具合の悪いことだと思っていました。
ところが最近、少し考え方が違ってきたのです。

今の野田首相は、以前私も直接話をしたことがあり、人物的なレベルの高さや懐の深さに好感も持っています。
ただ経済のことが全然わかっていないのではないかと、今は非常に危惧しています。
円高は悪」と決めつけている点や「増税やむなし」と思っている点などです。

野田さんより前の3名ほどの人たちは、早く辞めてほしい人たちばかりであったように思います。
もし長期に首相で居座っていたら、日本の危機であったといっても、けっして過言ではありません。
だからもし世論が「首相長期在任論」などで縛られていたら、日本の政治は二進も三進もいかなかったに違いありません。
そういう意味では、首相がコロコロ変わった方が、居座られるよりずっと良かったように思うのです。
それに首相がコロコロ変わっていくと、独裁政治になりようがありません。

国会議員は偉い人がなるものだとずっと思っていました。
ところがいつの頃からか「ひょっとしたら、あまり賢くないかもしれない」と思うようになりました。
松下政経塾出身者は優れ者ばかりだと思っていたのですが、どの人を見ても全然たいしたことがないように感じてきたのも最近です。
地元の国会議員を見ていても、本も一冊も読まず、人間的にも仕事的にも随分底が浅い印象があります。

宝塚市にあるメーカーで、ひじょうに優秀な上場企業があります。
その社長は、宝塚の経営者の中で私が一番尊敬する人物です。
例えばそういう人が選挙に出て当選するかと言えば、そうでもないわけです。
選挙には人気投票のような一面があるからです。

社長を選ぶのに選挙などしている会社は皆無です。
もし選挙で経営者を選んでいたら、その会社はかなり危ないのではないでしょうか。
ということはリーダーを選ぶのに、選挙自体が本当に絶対的なものかどうかの疑問が出てくるのです。
「経営」と「政治」は違うのだという意見もあるかもしれませんが、「政治」は国家経営そのものだという気がするのですが、どうなのでしょう?