シンガポールへの旅 その3

旅に出た時、朝起きて何の予定もない喜び。
何の予定もないというのは、本当に楽なのです。
何をしてもいいし、何をしなくてもいい。
何時までに朝食を済ませ、何時にバスに集合などと言う旅行だと、気ぜわしくて仕方がありません。
旅の楽しみは「非日常性」。
時間に追われる生活は、普段たっぷりとしているので、この「非日常性」を十分に味わいたいと思うのです。
ましてや一人旅。
気ままにいこうと思います。

朝食を済ませ、まずは目的の書店の場所を確認に。
ホテルを出たとたん、熱帯地方独特のムッとした湿気。
でも決して不愉快な気持ちはしません。
むしろその中にエネルギーを感じます。
目的の書店がありました。
『BORDERS』という名前。
記憶していたよりも、ずっと大きく、日本の大型書店と同じようなスケール。
まだ開店前だったのですが、行くのが非常に楽しみになってきました。

今日のスケジュールは「シンガポール・フライヤー(大観覧車)」と「シンガポール植物園」、そして書店での本の購入、最後にホテルの中華料理での締めくくろうと思います。
明日は「セントーサ島」のあと「オーチャード通り」へ。
夜はホテルのレストランでコース料理がサービスで付いているようなので、そちらの方へ。
まあ大体こんなところでしょうか。

まずは「シンガポール・フライヤー」へ。
世界一の大観覧車です。
タクシーに乗ると、ドライバーが何とイスラムのスカーフを巻いた女性運転手。
ニューヨークでターバンを巻いたインド人ドライバーのタクシーの乗ったことがありますが、スカーフのイスラム女性は初めて。
イスラムのイメージと女性タクシードライバーとが結びつきにくく、これは意外でした。

「アラブ」イコール「イスラム」ではありません。
東南アジアにもいっぱいイスラムの人たちがいるのです。
例えばインドネシアは世界最大のイスラム国。
東南アジアのマレー系の人たちは、人当たりが柔らかく親切です。
東南アジアの仏教国の女性たちもシャイでやさしい印象があるので(もちろん例外も多いのですが)、雰囲気がよく似ているように思います。

外国へ行って雲助タクシーに乗ってしまうほど心細いことはありません。
その点、イスラムの女性ドライバーなら気持ちが楽です。
シンガポールのタクシーは比較的料金も安く、たくさん走っているし、英語が通じるし、クレジットカードも使えるし、チップもいらないので、とても便利です。
基本的には島なので、とんでもないところへ行ってしまう心配もなく、他の外国と比べると、乗っていてもとても安心なのです。