デフレ傾向・インフレ傾向

「\」のマークは「円」であると、日本人なら(あるいは外人でも)当然思うわけです。
ところがこれは中国の通貨の「元」をも表す記号だということをご存知でしたか?
「元」は中国語で「ユエン」と発音します。
つまりイニシャルは「Y」なのです。
以前からこのことは本を読んでいて知っていたのですが、先日北京を訪れた際、実際にこの表示が当たり前のように使われていることを知り、ちょっとショックでした。

「元」というのは、ジンギスハンが作り上げた帝国の名前です。
その時から中国の通貨は「元」を使用しているのかどうかまでは、残念ながら知りません。
今のところ、国家体制も含めた総合的な評価では、圧倒的に「円」の方が国際的信用があるのですが、ここのところだけはけっして譲るわけにはいきません。

日米欧の経済はデフレですが、それ以外の国ではインフレ傾向が見られます。
中国や韓国では、消費者物価指数が前年同月比で4%を超えました。
中国は人民元相場の上昇を抑えるため、「元」売り介入を行っています。
その結果、マネーが市場でダブつきやすくなっています。
それが物価上昇や不動産バブルにつながっているのです。

韓国は「輸出が命」であるため、金融政策の手加減が難しい面があります。
物価上昇を抑えるために政策金利を上げると、それにつられてマネーが流入しやすくなります。
そうすると「ウォン高」になる可能性があります。
ウォン高は韓国の輸出にとっては敵で、とても許容できるものではありません。

それにしても、これだけ経済のグローバル化が進んでいて、どうして一方ではデフレ傾向で、他方ではインフレ傾向になるのかが、よく分かりません。
もっともっと勉強する余地があります。
逆にもっと勉強できると思うと、うれしくなります。