インターネットと不動産会社

セミナーの講師Fさん(賃貸住宅の仲介・管理会社経営)のお話の続きです。

「ユーザーはまずウェブで物件を絞ってから、決めていく。
従って不動産会社をあまり訪問しない。
ネットで絞ってからの来店で、もっと言えば現地集合で十分。
つまり駅前店舗の必要がなくなった」

「最近は営業があまり説明しない傾向がある。逆に言えばインターネットにたくさん情報があるので喋(しゃべ)る必要はないのかもしれない。
インターネットで生産者と消費者が直に売買することを「中抜き」というが、オーナーが直にインターネットに物件を載せていく動きが出た場合は、仲介業者の立場はどうなるだろう?」

「手数料6万円を払うぐらいなら自分で探すという人たちもいるだろう。
仲介手数料を取れない時代が始まっている。
仲介店舗は1階でなくてもいいし、正社員ではなくコストの安いパートスタッフで十分。
また他社の物件を仲介するかどうかの選択を迫られるようになる。
実際、自社管理物件に業務を特化し、他社の仲介をやめたところも出てきている」

「売買仲介でも仲介手数料が取れない方向に向かっている。
いま全国に12万5千社ある宅建業者の数は確実に減っていくだろう。
今まで不動産業者のカウンターで、対面しながら行っていた検索作業を、ユーザーが自宅でインターネットを使って行っている」

「オーナー自身の経営的な力も問われている。
PM(プロパティ・マネージャー)が収益改善の提案をしても、それを理解できないオーナーもいる。
個人投資家の会がたくさん出来ている。
そこでは自分の成功や失敗体験がすべて話され、それがノウハウの蓄積へとつながっていく。
オフ会は明るく楽しくお祭り騒ぎのような感じだ」