不動産経営を考える その3

相場が崩れると、既存のマンションデベロッパーは総討死。
そして時間が経ち、また不動産相場が回復し出すと、今度は負債のない新しいマンションデベロッパーが勃興し出すという、この繰り返しなのです。
これも「いつか来た道」。

マンションデベロッパーの事業のポイントは「土地の仕入れ」と「資金調達」。
この二つされ出来るなら、あとは全部アウトソーシングすることが出来ます。
極端な場合、たった一人で何十億円もの事業を行うことが出来るのです。
土地の仕入れ、調査、事業企画、建物の設計、近隣対策、そして施工。
マンションの販売営業の仕事も専門の会社があるので、それにすべて委ねることが出来ます。
販売後の管理業務にも、もちろん専門会社が。
従って「土地の仕入れ」と「資金調達」の目途さえ付けば、辣腕社員が独立し、新しい会社をスタートさせることも比較的簡単です。

もっと極端なキャピタルゲイン狙いには、不動産の買取り転売があります。
これは買って売るだけ。
バブル時には買ってすぐに売却しても、大きな利益が上がることがあります。
たまにはこういった「不労所得」があってもいいとは思うのですが、これを繰り返すと精神が汚濁されてきます。
その汚濁は社長だけでなく、社員にも浸透。
どうしても会社全体がおかしくなるのです。

また「買取り転売」自体に付加価値はあまりなく、社会に対する貢献という意味から見れば、社会的価値はゼロに近いわけです。
天からも評価されないように思うのです。
そして何よりバブルが崩壊した時には、大儲けのはずが大ピンチとなってしまいます。
従ってキャピタルゲイン狙いは、分譲業のような正業であれ、「買取り転売」のような虚業であれ、息長く繁栄していくビジネスモデルにはなりにくいのです。