B/S経営を考える その2

分不相応の立派な本社ビルを建てると会社の経営が傾くというのは、ほとんど法則のようなものだと言っても過言ではありません。
収益を生まないものにお金をつぎ込んではいけないのです。
自社ビルを持つと、インフレの時代は含み益が出たし、借入れの担保にもなりました。
が、デフレの時代は含み損になる可能性が高いし、最近は借入に担保が必要でなくなってきました。

会社の車も購入ではなくリースという手があります。
もっと推し進めていけば、車を所有せずにタクシーを利用するということも考えられます。
車1台所有すると、ガソリン代や駐車場代や車検代や保険料や減価償却費で、月5万円はかかるように思います。
タクシー代で月5万円も使うことはまずないはずです。
ましてや事故や駐車違反のことを考えたら、タクシーの方が圧倒的に安くつくのではないでしょうか?
もっと突き詰めていくと、仮に歩いていける範囲内に営業エリアを絞り込むとするなら、そもそも営業車自体がいらなくなるわけです。

売上の上がらない時代は、今まで当たり前だと思っていたことを見直す絶好のチャンスです。
B/Sの償却資産の項目を見直していたら、とっくの昔に処分したパソコンや大看板類が帳簿上にまだ残っていてビックリしたことがあります。
現物はもうないのに、帳簿の上では堂々と鎮座している…。

デフレの時代は「営業力」ではなく「商品力」です。
価格競争に巻き込まれる商品だと、際限無い値引き合戦へ。
やはり中小企業が目指すべきはスペシャリティー化(ブランド化)や専門化への道だと思います。
「間口を狭く、奥行きを深く」なのです。
会社のすべての経営資源を集中させる分野をまずは見つけることが第一歩かもしれません。