決済権を握る国が覇権を握る

2006年初めの中国の株の時価総額は、日本の10分の1だったのが、2007年8月には日本を追い越してしまいました。
中国519兆円、日本517兆円です。
これはどう考えても不自然で、不自然なものは必ず合理的な状態に戻るのが「天の法則」です。
バブルの最中に「これは少しおかしい」と感じるか否かが、その後の天国と地獄を決めることになる経験をしました。
これも「天の法則」の範疇。

今の世界金融危機は、1929年の大恐慌より複雑化、巨大化しています。
また各国の経済が絡み合っていて、世界同時に経済危機が進行。
かつて好調だった世界経済の中にあって、一人苦しんでいた日本経済の存在感が、ここに来て相対的に高まってきました。
経済基盤の弱い国の通貨が暴落しています。ドルのユーロも下げ傾向なのに、円だけが価値を上げています(円高)。

今回の世界金融危機が、アメリカの一極支配の終焉をもたらすような気がします。
時あたかも米国民はオバマ氏を大統領に選びました。
オバマ氏自身は偉大な人だと思いますが、はたしてアメリカの経済、外交、軍事はどうなっていくのでしょうか。
「CHANGE」がいい方に行けばいいのですが、悪い方に行く可能性だってあります。
今はドルが世界貿易の決済権を持っていますが、このままズルズルとドルの値打ちが下がるようだと、円を決済の基軸にする動きが出てくるかもしれません(アメリカが一番嫌がることですが)。
「決済権を握った国が覇権を握る」のではないかと思うのです。
ドルとユーロとが決済権をめぐって競(せ)り合い、今までのところドルが圧勝しているわけですが、そこにポコッと円が顔を出してくるなんてことも、夢物語ではなくなってきました。