サブプライム・ローン

アメリカのサブプライム・ローンは、今から思えば詐欺みたいな商品ですが、不動産価格が上がっている間は、みんなハッピーで何の問題もなかったのでしょう。
サブ・プライムの借り手は、普通の住宅ローンでは審査が下りない人たちが中心。
ヒスパニックや、黒人や、白人のブルーカラーがその対象でした。
地域的に多いのはカリフォルニアやフロリダ。
ヒスパニックが多いからです。

NINJA(忍者)ローンとも呼ばれ、NO INCOME、NO JOB、NO ASSETのローンでした。
2007年度のアメリカでの住宅の差押え件数は150万件。
住宅地の中で差押え物件が数多く出ると、住環境や治安が悪くなり、ますます住宅の価値が下がってしまいます。
ほかの関係ない人の住宅の値段まで下がるし、売却による債権回収額だって減ってしまうわけです。
とにかく悪循環。
日本のバブル崩壊の後よりも、状況は悪いのではないでしょうか。

世界の金融機関のサブ・プライム関連の損失額は約15兆円。
日本はキズが浅く、みずほ銀行が3,450億円の損失、あと地銀や信金や証券会社の損失があり、合計で6,300億円ほど。
日本はバブルを一足先に経験しているからこの程度で済んでいるのでしょう。
経験していないとしたら、たぶん5兆円ぐらいは吹っ飛んでいたに違いありません。

アメリカでは住宅ローンのことを「モーゲージ」と呼んでいるようです。
サブプライム・ローンにはモーゲージ・ブローカーが活躍(暗躍)しました。
今はほとんど姿を消しているはずです。
政府系住宅金融会社には「ファニーメイ」と「フレディマック」の2つがあります。
それらが発行する債券のうち、中国が25%、日本の会社が18%保有しているそうです。
先日それぞれの7月から9月までの決算が発表されました。
ファニーメイが2.9兆円の赤字。
フレディマックが2.4兆円の赤字。
これはハッキリ言って倒産を意味しているのではないでしょうか。