時代の意思

ロシア軍がグルジアに侵攻。
軍事的には南オセチア地域を制圧したものの、経済的にはロシアから外資が逃げ出し、苦境に立たされることになってしまいました。
ロシア首脳もそこまでは計算していなかったのではないでしょうか。
また今回の侵攻は、ロシア政府というより軍が突出する形で行ったのではないかと推測されます。
むしろ政府は軍を抑えるのに必死なのでは?と思ったりもしています。
軍の抑えが利かず、愚かな敗北へと“ひた走って”しまったかつての日本を彷彿とさせます。

軍事行動は予想以上に高いツケがまわってきそうです。
せっかくBRICsと持ち上げられ、国際的な投資対象国となっていたのに、さっとおカネがロシアから逃げ出してしまいました。
おカネは臆病なのです。
それまでもロシアはヨーロッパへの石油天然ガスのパイプラインを止めてみたりし、ヨーロッパ諸国の信頼を大きく失っています。
むしろソ連時代の方が、安定供給先としての信頼があったぐらいです。
ちなみにソ連時代は、対外債務はすべてキチンと支払ったと、本で読んだことがあります。

原油価格が高騰し、国の経済に余裕が出るにつれ、ロシアはまたぞろ傲慢になってきたのでしょう。
しかしこういった行動が、近い将来大きな禍根を残すことになるはずです。
それにしてもアメリカのイラク進攻といい、ロシアのグルジア進攻といい、軍事的な実入り以上のものを失う結果になっています。
「軍事力の有用性とはいったい何なのだろう?」と疑問に思ってしまいます。

「今後の世界の流れを見るに、ある原則が働いていく」と昨日読んだ本に書かれていました。
それは「社会主義的なものが崩壊していく」ということ。
日本の組織の中に巣くっている社会主義的なものも崩壊するし、世界的に見てもそう。
いま社会主義を標榜している国には中国、北朝鮮ベトナムキューバなどがありますが、これらの国のスキームが大きく変わってくるのは間違いがないでしょう。
日本国内でも今までの役所の組織や教育システムが崩壊し、新しい動きが出てくるはずです。
補助金をもらっている産業の崩壊もそう将来の話ではないはずです。

是川銀蔵は「資本主義は崩壊するのか」を調べるために、2年間ほど仕事もせずに図書館に通い続けたと言います。
あるエコノミストは「資本の意思」を考え抜くと言います。
私も「時代の意思」を探求していきたいと思うのです。