相手は「民主」ではなく「民衆」

参議選において自民党は惨敗。
その3週間ほど前に、大新聞の政治部のベテラン記者たちが「ズバリ予想」として、具体的な数字をあげていました。
結論から言うと「大ハズレ」の予測ばかり。

一人だけ「自民党39議席」と“比較的”近い数字をあげている人がいましたが、この人も「結果、安部即退陣」と断言していたので、これも現実的には当たっていません。
マスコミの言うことは、あまり当てにならず、次からはあまり信じないようにしようと思います。

農林水産大臣の事務所経費の問題が続いて起こったわけですが、いい加減な処理をしていると、法的には問題がなくても、国民の感情が許さないことがよく分かりました。
法律は許しても、世間が許さないのです。

昔のような“なあなあ”は今は通じません。
飲酒運転一つとっても分かるように、今は時代が厳しくなっているのです。
時代の風を感じることが出来ない政治家であったということが、そもそも大きな間違いだったのかもしれません。

「野党に追及されて、その都度大臣を変えていては国政が成り立たない」という筋論を通している間に、大臣どころか屋台骨まで揺らいでしまいました。
会社の営業でも、担当者に不都合があり、顧客が担当を変えて欲しいといっているのに、そのままズルズルと継続させ、結局は上得意を逃がしてしまうようなものです。
マークすべき対象は「民主(党)」ではなく、実は「民衆」であることを忘れていたのです。

アメリカ軍は戦争において、常に「軍事的戦闘対象」と「国内世論」という2つの敵を相手に戦わなければなりません。
ベトナム戦争では北ベトナム軍に負けたと言うより、国内世論に負けて撤退。
イラクでも軍事的には完璧に勝利しているのに、今や世論に負けそうになっています。
日本でも世論の風を知らずして、政治は成り立たなくなってきたようです。