P/L経営だけではどうしてもわからないことに、売上が好調なのにキャッシュが減っていったり、利益が出ているはずなのにお金に窮したりすることがあります。
それらの症状が酷(ひど)くなると黒字倒産ということになるのでしょう。
売上を上げようとすると、広告費や人件費などが増えがちになります。
また実際に売上が上がると、製造費や販管費が増えます。
「売上」即「現金」だと問題はないのですが、売掛金が増えるだけだと、資金繰りが大変になります。
販売不振で売上が下がると資金繰りがピンチになるのは理解しやすいのですが、売上が上がってもキャッシュが足らなくなることがあるわけです。
売上だけでなく、利益とキャッシュフローが一致するとも限りません。
売掛金の回収が遅かったり(できなかったり)、在庫が積み上がったり、不動産を購入したりすると、キャッシュポジションが途端に悪くなります。
キャッシュ自体が不正で持ち出されているケースだってあるかもしれません。
そうすると、いっそのことキャッシュだけに照準を当てた方が、財務や経営の状態がよく分かるということになります。
ある経理の本で「会社の銀行口座は一つにしなさい」ということを学びました。
私はさっそくそれを実行したのですが、キャッシュの今の状態が一つの通帳を見るだけで把握できるので、とても分かりやすくなりました。
銀行借り入れした場合は、金利分は経費で落ちますが、元本の方は「税引き後利益」の中から返済しなければなりません。
それもキャッシュの不安定要素の一つです。
やっぱり無借金に越したことはありません。