本を読む人、読まない人

本を読む人生の方が、読まない人生よりも圧倒的にいいように思います。
が、人生に成功している人たちの中には、本を全く読まない人もいます。
本を1冊も読まないで、会社を上場にまで持っていく経営者もいます。
そういう人たちを見ていると、経営と読書とは別物ではないかと思ってしまいます。

大手企業の経済団体の重鎮を知っていますが「本は月に1冊読むかどうか…」とのことでした。
その方に対しては好意こそ持っていて、悪意は全くないのですが「世の中のリーダーが、そんなことでいいのだろうか?」という疑問は感じています。
本を1冊も読まない(落選中の)国会議員も知っていますが、これに対しては「だから喋っている内容が空虚なのだ」と思います。

時たま、上場企業の経営者が読書のことについて書いた本を読むことがあるのですが、読書の本なのに「年間100冊もの本を読んでいる」と“やや”自慢げに書いてあることがあります。
皮肉でなく「年にたった100冊しか本を読まないのに、読書の本がよく出せるものだ」と感心してしまいます。
また実際、その人は創業した会社を上場にまで持っているので、私としてはツッコミようがないのです。

本を書いている著者の中には、年間3,000冊もの本を読んでいる人が、私が知っているだけでも5人はいます。
その全員の本が面白いかと言えば、そうでもない人もおり、この辺が誠に微妙なのです。
その人自身は本をほとんど読まないのに、随分と面白い本を書く人もいて、こうなると読書の役割がよく分からなくなってしまいます。

所得税累計日本一の斎藤一人さんご自身は読書家ですが、経営者の中には本を読まないで立派な会社にしている人もいることを認めておられます。
が、やっぱいそういう人たちとは話が合わないのだそうです。
私が尊敬する経営者の中には中卒や高卒の人もおられるのですが、その人たちの共通点は「本をよく読んでいる」ということです。

私が今まで話をしていて「面白いなあ」と思った人たちは、仕事に打ち込んでいる人か、本をよく読んでいる人か、あるいはよく旅をしている人でした。
テレビばかり見ている人たちの話は、やはり面白くないのです。

サラリーマンでも部長ぐらいまでは本を読まなくても行けるかもしれませんが、役員になるのは難しい気もするし、また役員になっても本を1冊も読まないのでは、ちょっと具合が悪いような気もします。