身の丈に合ったボランティア

「本業以外での御社の社会貢献は何ですか?」との質問を受けたら、たいていの経営者は「うっ!」と言葉を詰まらすはずです。
当社は武庫川の散歩コースに設置しているゴミ袋を、社員交代で毎日取り換えるというボランティアをしています。

私を含めて何人かの人たち(当社のスタッフではありません)が、毎朝ゴミを拾いながら散歩しています。
ゴミ袋を設置していると、散歩の途中で拾ったゴミをそこに捨てることが出来ます。

ゴミを拾うのは比較的簡単なのですが、捨てるのが難しい。
即ち、拾ったゴミを捨てる場所がなくて困ってしまうのです。
10数年前に2人で始めたゴミ拾いですが、それまでは散策コースにゴミが散らかっていたのが、今では見違えるようにキレイになってきました。

この「ゴミ袋の交換」という作業は、我が社にとってはまさに身の丈に合ったボランティアなのです。
これ以上の「社会貢献」をしようとすると、本業とのバランスが崩れ、ムリが生じてくると思うのです。

従って続けていこうとは思っていますが、当社の社会貢献はこれ以上決して増やさないようにしようと思っています。
いいことであっても「やり過ぎる」と続かないし、肝心の本筋の方がおかしくなるからです。

会社の経営でも無理のない範囲でやっていくというのは、とても大事なことだと思うのです。
やはり「年輪経営」が一番です。
年輪を刻むようにユックリと大きくなっていくべきなのです。
だから「急成長」というのは経営にとっては敵。

1万社に1社ぐらいは、そのまま大きくなって一部上場企業となるかもしれませんが、ほかの9千数百社は急成長したら、そのあと潰れる可能性が高いのです。
もし拡大路線を取るのであれば、目指すのは売上げではなく利益だと思うのです。

会社の実力は売上げや社員の多さではなく「利益」です。
累積所得税日本一の斎藤一人さんの会社は5名ほどのスタッフで運営されていると読んだことがあります。
オフィスだって、何の変哲もない小さなビルのようです。

斎藤一人さんの教えでは「お金持ちに見えるようなクルマや時計や服装をしなければいけない」とのことですが、こと会社に関しては外から見た場合、とても大儲けしている会社には見えないようです。