面白い話

本で面白い話を読みました。
ある人がセミナーに参加し、「悪口」、「批判」、「愚痴」、「自慢話」をすることを禁止させられました。
そうすると話すことがなくなり、仕方なく聞き手に回ることになりました。
それを習慣にすると、何とそこから人生が好転し始めたというのです。

世の中の9割が人の話を聞くよりも、自分の話を聞いてもらいたがっています。
ディール・カーネギーの『人を動かす』という名著がありますが、その中に出てくる印象的な話です。
あるセールスマンが、その日はノドの調子が悪く、ほとんど喋れなかったのですが、すでに面談を約束していたので、仕方なく新規客のところに行ったそうです。

が、声が出ないため、商品を説明することなく、終始相手の話をじっと聞くことしかできなかったそうです。
相手が話すのをひたすら聞くだけだったのですが、「商談」が終わった後、あっさりと何の苦労もなく契約が取れてしまったのです。
一通り話し終えた相手は満足し、何ら商品説明を受けないまま購入の意思を示したというわけです。

我々はいつもセールスでしゃべり過ぎなのです。
私は営業畑出身なのですが、自分が成功した商談はいつも“ひたすら”聞き役に回っていた時だったことに気づいています。
真剣に相手の話に相槌を打っている間に、勝手に相手は私に好意を持ち、契約書に判を押して下さるという経験を何度もしました。

「なぜ口は1つで耳は2つあるのか?」の意味は「相手の話を(自分が話す)倍聞くべきだ」ということです。
相手の話を全身全霊で聞くならば商談は常に成功し、デートだって百戦百勝ということになります。

もう一つ、本で読んだ面白い話です。
あるセミナーの途中で、唐突にカレーライスが入った鍋を講師が持ち出し「これを食べたい人はいますか?」と質問。
中途半端な時間だったので、手を挙げた人は数人しかいませんでした。
そのカレーを作った年配の女性を壇上に呼び、講師がいくつかの質問をしました。

講師:「このカレーはご家族に好評だったそうですね?」
女性:「そうです。特に次男が大好きでした」。
講師:「次男の方は今どうしておられます?」。
女性:「今アメリカで野球をやっています」。
講師:「お名前は何ておっしゃるのですか?」
女性:「鈴木と申します」。
そうなんです。
その女性はイチローのお母さんでした。
あたらめて講師が「このカレーを食べたい人は手を上げてください」と会場に問うと、全員が競って手を挙げたのだそうです。