ゾーンに入る

「ゾーンに入った」という言葉があります。
トップアスリートが神業のようなパフォーマンスをする状態、例えばゴルフで言えばイーグルとか、プロ野球で言えば3連続ホームランといったときに使われることがあります。

この言葉は英語から来ているようで、英語でもまさに”in the zone”と表現します。
「ゾーンに入っていた」は“I was in the zone”と表現すればいいのです。
この「ゾーンに入る」状態はスポーツのみならず、仕事でも知的作業でも起こり得ます。
「ゾーンに入る」は正に人生の醍醐味そのものだと思うのです。

ゾーンに入った時の特徴は、意識はあるのだけれど無私の状態。
力みが一切なく、完全にリラックスし、自分の能力を超えたパフォーマンスが演じられるといった状態です。
多分その時は本当に、自分以外の目に見えない力が応援してくれているのだと思います。

偶然ゾーンに入るということは少なく、それまでに懸命に能力を磨いてきた努力が前提だと思うのですが、努力だけでは“やはり”ゾーンには入れないのです。
ゾーンは神と一体となった状態でもあるので、澄み透(とお)った精神状態でないと決して得ることのできない境地なのだと思います。

私も「ゾーンに入った」体験は何回かあるのですが、多くは文章を書いている時。
自動書記とでもいうような状態です。
明らかに自分ではないものが書かせているようなことがあり、このブログでもごくたまにあります。
そんな時は読み返してみて「いいこと書くなあ」と自分で感心し、時には感動していることがあります。

若い時に青年会議所アメリカへ行ったことがあり、その時に先方の市長も交えてアメリカ人たちと一緒にパーティーをしました。
その時の司会がどういうわけか私でした。
その時もゾーンに入ったのです。
日本語と英語の両方で司会するのですが、英語での冗談が何度も大受けしたのです。

一つの技を磨いていく努力は当然として、自分の力以外ののパワーもお借りしたいのです。
それを「潜在意識」と呼ぶのか「宇宙のパワー」と呼ぶのか「神々の力」とお呼びするのかは分かりませんが、とにかく「ゾーンに入る」ことは人生最高の喜びであることは間違いありません。