優良企業「大塚家具」

マスコミでもう既に騒がれているので、このブログでも実名を出すのですが、大塚家具という優良会社があります。
この会社の創業者が実の娘に社長の座を譲ったのですが、どうもボタンのかけ違いがあったようで、創業者が社長復帰したあと、すぐにまたもや娘社長への交代へと目まぐるしくトップが変わっています。

いわゆるお家騒動で、社内は今大きく揺れ動いているようです。
創業者である父親も、その娘さんも、私は直接には知らず、両者に偏見も悪意も全くありません。
また大塚家具にも好意をもっています(私の書斎の本棚とソファは大塚家具から買ったものです)。

私は創業者である父親の気持ちも、後継者である娘さんの気持ちも、とてもよく分かるのです。
ひと言で言うと「気の毒」としか言いようがありません。
創業者の父親はもちろんのこと、後継者の娘さんも際(きわ)だって優秀なのに違いありません。
どうしてそんなに仲たがいしなければいけないのか、悲しい気持ちでいっぱいです。

大塚家具というのはジャスダックに上場しているのですが、有利子負債がゼロで、配当利回りが高い優秀な会社なのです。
私の株購入リストに入れていたぐらいです。
なぜその株を買わなかったかというと、家具というのは一度購入すると、もうあとは買うことがなく、リピート性がないからです。

家具のことを耐久消費財と呼ぶのかもしれませんが、一度買うとなかなか買い替えることがありません。
自動車だと買い替えという一つのサイクルが出来ており、中古車は中古車で一つの立派な市場が成立しています。
家電は家電で、古くなれば新しいものを買うといった消費行動が定着しています。

ところが家具はタンスにせよベッドにせよ、一度購入したら、それを買い替えるといった習慣がありません。
もし下取りで引き取ってくれるなら、喜んで新しい家具に買い替えたいという人も多いのではないでしょうか。
家具やピアノは(心理的なものも含めて)処分が極めて難しいのです。

家具の販売は大きなスペースがいるので、今までの小規模な街の家具屋さんは大型店に食われて、今後の生き残りがかなり難しいのではないかと推測されます。
街の本屋が“どんどん”姿を消しているのと同じ現象が起きているわけです。
大型店(もしくは超大型店)の存在感がますます増していっています。

大塚家具は高級化路線が生き筋だという気はします。
今さらお買い得路線でいくとすれば、ニトリやイケヤとの競合に勝てないのではないかと危惧します。
今回の騒動がどう納まり、大塚家具がどういう方向で行くのかに極めて興味を持っています。

今回の内紛で株価が急落するのかと思ったら、意外にも急騰しました。
株的にも興味津々で今後の動きを見守っていきたいと思っているのです。