世の中にはスゴイ人がいる

若い頃に出合った人で、非常に影響を受けたKさんという人がいます。
不動産業界の人なのですが、不動産実務のことであれば法律は弁護士よりも詳しく、税金は税理士よりも詳しく、建築は一級建築士よりも詳しくなることを目標に勉強してきた人でした。

勉強ばかりして実際に仕事ができるのかと言えば、その人の会社は今や霞が関ビルに居を構える東証一部上場企業になっています。
しかも驚くことに社員数は15名ほど。
確か最少人数の一部上場企業だったように思います。

仕事はビルのオーナー業が主体で、たまにマンションの分譲も行っているようです。
業務の性質上、有利子負債も大きく、その点だけが私好みではないので、その会社の株は買っていません。
しかしなかなかの優良企業のようです。

セミナーでKさんの話を聞き「よし自分も本気で勉強するぞ!」と思い立ってから、実際に勉強を始めるまでに10年以上かかりました。
10年以上!なのです。
でも勉強し始めただけマシです。
ふつうは話を聞いて多少発奮したとしても、結局は実行しないケースがほとんどだと思うからです。

私の場合は不動産の勉強から外れ、もう少しマクロの経済の方に興味が移りました。
また経済以外にも歴史や自己開発や神道など、違う分野にドンドン関心が向かっています。
また語学にもハマり、これなど今の本業とはほとんど関係がありません。

昔バブルの頃、Kさんに東京のイタリア料理でご馳走になったことがあります。
その時Kさんは「このバブルは必ず潰れる」との話をされました。
「それだったら銀行も潰れていくじゃないですか」と私が聞き直すと「その通り」とのこと。

半信半疑というより、そうなってもらっては困るという気持ちが強かった私は、極めて複雑な心境でした。
せっかくのイタリア料理がとても不味く感じたのを覚えています。
で、実際はどうだったかというと、全くKさんが言った通りになったという次第なのです。