経済の変化が出す「色」や「音」

経済の変化の兆候を感じた時「海の色が変わった」と表現した上場企業の経営者がいました。
この人は前回日本のバブル崩壊の時と、今回のサブプライム問題と、2回「海の色が変わった」のを感じたそうです。
今回の日本の不動産市況の変化においても、不動産市況分析の第一人者は「潮目が変わった」と言い表しています。

経済の動きから「音」を聞くことが、実際にあるのです。
例えば私の友人は鎌倉で不動産業を営んでいたのですが、東京からバブルが押し寄せてくる音が本当に聞こえたのだそうです。
従って打つ手は早かったのですが(不動産の購入)、バブルが去っていく音は聞こえなかったらしく、バブル崩壊後は散々な目に遭いました。

別の友人は政府から民間に開放されたNTTの株を相当数購入したのですが、買った時が一番高く、あとは毎日下がっていくという状況でした。
毎朝、新聞の株式欄を見るたびに「ドサッ」という株の下がった音が聞こえたそうです。
確かこの時はバブルの真っ最中で、友人は本業の方は絶好調だったのですが、株の損失で気分がもう一つ乗らないと、あるパーティーの時にこぼしていたのを覚えています。

私もバブル崩壊津波の音のように聞こえた経験があります。
バブルの最中は「売り物件」が極端に少なくなりました。
市場に出る前に業者が買ってしまっていたからだと思います。
各不動産会社に売り物件の資料を配布する会社があったのですが(今もあります)、バブルの後半にもなると、随分と情報資料が薄くなってしまっていました。
それがある日を境に、市場にどっと売り物件が出てきたのです。
従って資料の束も急速に分厚くなったのですが、その大量の資料を見た時、バブル崩壊津波の音が聞こえたというわけです。