理想の不動産業は? その2

商売というのは「リピーター」もしくは「お得意様」を大事にすることに尽きるのではないかと、最近思うようになりました。
それを忘れて新規顧客の開拓や多店舗化ばかり考えているからおかしくなるのです。

「顧客第一主義」は間違いのない考え方ですが「顧客」のところを選ばないと、打つ手にムラが出てくるのです。
下手すると社員がヘトヘトになってしまいます。
お客様が店を選ぶのは当然のことですが、店もお客様を選ぶべきなのです。

その点「リピーター」や「お得意様」は、何度もお店や施設や商品を利用して下さっているわけですから、少なくとも相互に相性がいいわけです。
そんなお客様を大事にしない手はありません。
好きな人や尊敬できる人には、何も言わなくても自(おの)ずから良いサービスをしてしまいます。

「満足した顧客は最高の営業マン」という言葉もあります。
お得意様に徹底的にサービスしていきたいと思うのです。
営業マンゼロ、借入れもゼロだと、人件費が安くなったり、支払い金利がなくなったりします。
経費が安くなった分、それを自社の利益にしようと思わないで、お得意様に還元できるようにしたいと思うのです。

事業をやるからには「拡大路線」が当たり前だと思っていました。
若いころは野心満々なので、特にそうです。
いまだに「売上増」や「シェア増」ばかりにこだわっている経営勉強会もあります。

「会社の存在意義はリピーターやお得意様に喜んでもらうこと」に今頃気が付きました。
こんな簡単なことが分からなかったから、数々の失敗や戦略ミスがあったのです。
この経営真理を若いころから貫いてきていたなら、たぶんビルの1棟や2棟は今頃余裕で建っていたに違いありません。

当社は「小さな本体」を目指しているので、社員数も少数にならざるを得ません。
しかしながら商品やサービスのレベルの低下は許されません。
そこで出てくるのが「アウトソーシング」と「IT」の徹底活用。
しっかりとアンテナを張り、これらの研究を怠りなくやっていこうと思うのです。