事業を絞ろう、顧客を減らそう

不動産業界を見ただけでも、すごい経営手腕で隆々とした会社をこしらえた人はいっぱいいます。

逆に私よりもレベルが落ちる人も何人もいます。

が、そんなことはどちらでもいいことで、もう人と自分とを比べるのはやめようと思うのです。

比べるから苦しいわけで、いちいちそんなことを気にしていたら、そうでなくても短い人生なのに、時間がいくらあっても足りません。

若い頃、経営セミナーによく顔を出していました。

例えば不動産業界での優秀な経営者の話を聞いたりするわけですが、その人と同じようなことをしようと思ってもできないのです。

「これはいい」とか「こんなこともやったほうがいい」とか、何かと付け加えることばかりになり、どんどん業務が増えていき、一つ一つの事業が中身の薄いものになっていきます。

一番具合が悪いケースは、借入れをしてまで見通しのない分野に手を広げていくことです。

それよりも自分の会社が得意なことに特化し、集中していく方が余程効率もいいし、業績も良くなっていくことが多いと思うのです。

これは顧客層や営業エリアでも言え、得意な顧客層や営業エリアに絞っていくべきなのでしょう。

街の電気屋さんだった「でんかのヤマグチ」は、例によって量販店の脅威にさらされていたのですが、顧客数を思い切って減らし、絞った顧客に徹底的なサービスをすることで、地域最強店になりました。

電球1個からの取り換えはモチロンのこと、お客さんが出かけている間の庭の水やりや犬の散歩まで行うそうです。

そこまですると、どこよりも「高い」値段で、堂々と電化製品を販売することができるようになるのも、当然のことかもしれません。