不動産のお話

日本の地方の工場は常に中国などの工場と競争しているわけです。
海外の工場での生産の方が、圧倒的にコストが安いとなれば、日本の工場は閉鎖の方向に向かいます。
従って日本の地方は常に中国や東南アジアの地価に引っ張られているのです。
地価だけでなく、人件費も安い国に引きずられて、日本人の年収が下がり続けました。

逆に東京は、ニューヨークやロンドンや香港の地価と比較され、まだまだ安いと判断されたなら、外資ファンドが東京の不動産を購入しようとします。
つまり東京の地価はニューヨークに引っ張られるわけです。
東京と日本の地方の地価を比較すると、2ケタ(ひょっとしたら3ケタ)くらい平気で違ってくるのは、そういう事情があるからです。

かつての日本のバブルの時、日本の不動産会社や投資家は、こぞって海外不動産の購入に向かいました。何せ日本の不動産価格が上がり過ぎ、それと比較すると、外国の不動産はウソみたいな価格であったわけです。
当社も海外物件の取得に向かおうとしたのですが、何となく立ち遅れ、そのおかげで今もなお生き残っているという次第です。

地価を決める根本的な要因は、やはりその土地が持つ収益力だと思います。
これは株も同じで、まずは「収益力」。
しかる後に金融情勢や人気が加わって、相場というのが形成されていくのだと思います。
人が集まる場所は収益力が高いわけで、そういう意味では東京の土地は抜群の収益力を持っていると言えるのではないでしょうか。

私はキャピタルゲイン狙いで不動産を購入することは好まず、あくまでもインカムゲイン
所有する不動産を育てていくという気持ちが大切だと思うのです。
当社でもいくつか賃貸に回しているマンション等があるのですが、少なくとも自社物件の場合は徹底的にユーザーサイドに立ったサービスを行っています。

縁あって入居していただいた方の「繁栄・幸福」を願っているといっても大げさではありません。
自社賃貸物件や自社で運営するコインパーキングの場合でも、その物件だけが繁栄するということはあり得ず、やはり地域自体の繁栄がとても大事なのです。
だから本音のところで、地域繁栄を支えていきたいという気になるわけです。