「当たり前」の法則

新聞のコラムでピンと来たものがありました。
東京大学名誉教授が書いた文章で、ちょっと「目からウロコ」的な感じでありました。
一見大変そうで実現が難しく見えることでも「当たり前」だと思い込むことによって、簡単に達成できてしまうということが書かれていました。

例えば「ノーベル賞は当たり前」というスゴイ研究所があります。
英国のキャベンディッシュ研究所で、今までに29人ものノーベル賞受賞者を輩出しているのだそうです。
たぶんそこの研究者たちには、ノーベル賞が「行く手に厳然とそびえ立つ険しい山」のようには見えていないのに違いありません。
あたかも「ピクニックの延長で登って行くような山」に見えているのかもしれません。

その名誉教授がかかわっている高校では、廊下で人にあったら「こんにちは」というのが当たり前。
外部から高名な先生がしばしば講演に来るのですが、そこでは質問するのが当たり前。
いつも質問マイクの前には20人以上が並ぶのだそうです。

私は体育会柔道部だったのですが、全くの初心者が柔道を始めても、所属チームが強いと、初心者でもいつの間にか相当強くなってしまうのです。
逆に弱いチームに入部した場合は、同じような努力をしていても、そんなに強くならないのが、いつもちょっと不思議でした。

いま考えると、柔道4段や5段の選手がゴロゴロいるチームだと「初心者でも3段ぐらいになるのは当たり前だ」という考えが、チームの中に染みこんでいたからではないかという気がしてきました。
ふつう柔道3段を取るのは大変なのですが、強いチームでは柔道3段は目標にもならないぐらいの「当たり前」感覚なのに違いありません。

例えば月100冊本を読むことは、私にとっては「当たり前」という感じで(自慢ではありませんよ)、今では目標でも何でもありません。
この「当たり前の法則」を他のことにも応用してみたいと思うのです。
会社経営なら「目標!利益1億円!」などと力まなくても「利益1億円などゴク当たり前のことだ」と思い込んでしまえばいいのかもしれません。
「利益1億円なんて当たり前」、「年収1億円だって当然のこと」等々です。

「この考え方は何かに似ているなあ」と思ったのですが、マーフィーの法則にそっくりじゃないですか。
潜在意識にインプットさえしてしまえば、勝手に願いが実現してしまうわけです。