キチンとスッキリ

20数年前に鍵山秀三郎先生と出会ったことは、私自身に大きな影響をもたらしてきました。
その一つが、まずは整理整頓がキチンと出来る人間になったことです。
ある経営コンサルタントが観察したところによると「整理整頓が出来ていても儲かっていない会社はあるが、整理整頓が出来なくて儲かっている会社はない」とのことです。

家庭でも整理整頓が出来ているところは、問題が極めて少ないというのは言えると思います。
モノが“ごちゃごちゃ”乱雑に置かれている家に貧乏神はいても、繁栄や家内安全を守る神様はおられないのは間違いがありません。

最近は整理整頓の前に「モノを捨てる」ことが極めて大事だと知りました。
鍵山先生はモノをとても大事に扱われるので「モノを捨てる」は鍵山哲学の中にはあまりないのではないかと思います。
最初から過剰在庫を徹底的に排除しているので、その必要がないのかもしれません。

しかしながら普通の会社や家庭では、まず「モノを捨てる」から入らなければ、整理整頓はおろか、まともな清掃も出来ないのです。
これは私自身の体験でもあるので自信を持って言えるのですが、モノを捨てると運気が上がります。

モチベーションの上がるものばかりに囲まれていると、自然に「やる気」に満ちてきます。
女性がいっぱい持っている服を「ときめくか、ときめかないか」を判断基準に「捨てないか、捨てるか」を決める方法があります。
私もやってみましたが、極めて具合のいい判断基準でありました。

年末から年初にかけて、会社の不要書類や不要備品の処分に再び力を入れています。
もう何度も捨てる作業をしているはずなのに、作業のたびに「捨てるべきもの」が様ざまに出てくるのです。
ひどいのは「何に使ったらいいのか分からないから置いているモノ」や「担当者がもう会社にいないのに10数年も保管している書類」などがありました。

捨てる作業には責任が生じます。
従って職場のトップが本気で取り組まなければ、捨てる作業など決してできないのです。
小さな会社だと社長しか出来ない仕事でもあるわけです。
しかしこれをしなければ会社はゴミ溜めと化します。
赤字やクレームといった後始末に追われるよりも、こういった「前始末」をキチンと片づけておく方が、ずっと労力も時間も安上がりだと思うのです。