採用の失敗は教育では取り戻せない

ある経営コンサルタントが顧問先の会社の営業マンの成績を調べていたら、面白い法則を発見したそうです。
営業マン100人を成績順にAクラス・Bクラス・Cクラスの3グループに分ました。
それぞれの入社以来の成績を追っていくと、入社3年内にAクラスであった人は、その後もずっとAクラスだったそうです。
同じようにBクラスの人はBクラス、Cクラスの人はCクラスなのです。

たまにCクラスの人がBクラスに行くことはあっても、せいぜいBの「下」であって、Aクラスに行くようなことは皆無であったとのことです。
入社の3年間でその人の会社人生でのランキングが決まってしまうなんて、考えてみたらちょっと怖いことでもあります。
「社会人になったら最初から頑張る」というのがどうも正解のようです。
あるいは採用する側から言えば、最初から出来るだけAクラスの学生を採用すべきだということでもあります。

一流の学生は一流企業に行くわけで、中小零細企業に行くことはまずありません。
親としても子供には、できるだけいい会社に入ってもらいたいと思うのは当然です。
リクルート」社は創業当時から、いい人材の採用に執念を燃やしていましたが、結果、会社もどんどん大きくなりました。
また当時は大手企業があまり関心を持たなかった女子学生の採用にも積極的に門戸を開き、女性がずい分活躍する会社にもなりました。

「採用の失敗は教育では取り戻せない」というのは、よく言われる言葉なのです。
今では優秀な企業の一つになっている、ある製造業の会社は「どうせ我が社のようなところには一流の人材は来ない。ならばユニークな入社試験をしてみよう」と、ちょっと考えられない方法を取りました。

ある年は声が大きい学生から採用したり、またある年は「早メシ」の順番で採用したりしたのです。
色んな採用の仕方をしたわけですが、入社試験の結果と、入社してからの成績との相関関係が一番あったのは「早メシ」だったそうです。

大学の体育会でスポーツをしていたという経歴は、就活で抜群の威力を発揮しますが、やはりそれらの学生は「心身ともに健全」だからでしょう。
彼らを見ていると、一流人気企業からバンバン内定を勝ち取っています。

逆に学生時代「ヌルイ」同好会などで過ごしてきた学生は、就職も難しいかもしれないけれど、会社に入ってからの成長も少ないような気がします。
ある一流私学の体育会を出た社会人たちと、同じ大学のヌルイ同好会出身の人たちのグループを、たまたま両方知る機会があったのですが、同じ大学なのに、これほど差が出るものなのかと驚いたことがあります。
やはりダテに「体育会」ではないのです。