私学経営

幼稚園から高校までを経営する、ある私学の評議員会に出てきました。
その私学は、ある大手有名企業のサポートを受けており、経営を担う理事長や常務理事もその企業から来られています。
私学経営に企業経営の手法を応用し、経営面や教育面など、すべての面でその学校をぐんと向上させた手腕は、傍から見ていてとても参考になります。

生徒人口が減少しているのですが、私学の数は変わっていないのです。
同じパイを私学同士が取りあいをしている状態。
しかも公立校とも競争しなければいけないわけで、教育界といえども安閑としておれません。
例によって、勝ち組と負け組にハッキリ分かれるという現象が起こっています。

厳しい経済情勢で、公立校への希望者が増えています。
私学の中には授業料アップしたとたん、生徒数が激減したところもあるようです。
生徒数が定員の半分の学校も多く、どのようにして経営を成り立たせているのか不思議なぐらいです。
生き残ることができるのは「公立の進学校」と「私学の一流校」だけだと言われています。

私学の経営のポイントは「受験者数のアップ」に尽きるのではないかと思います。
受験者が多いと受験料が多く入ってくるのはもちろんのこと、質のいい生徒が入学する確率が高くなります。
会社でもそうですが、最初から資質の高い人を採用するのが一番。
資質は教育や研修では補いきれないのです。

ある私学を見事に立て直し、レベルの高い進学校にした校長がおられるのですが、最初の仕事は能力や“やる気”のない教師を削除することでした。
腐った部分をカットすると、組織はよみがえってくるようです。
またこれからは、優秀な教師のヘッドハンティングが頻繁に行われていくはずです。

私が評議員会に出たこの私学は、近々「一流教員を求む」の新聞広告を出すそうです。
いい先生が入れば生徒への影響はもちろんのこと、今までいた先生にも刺激を与え、学校全体が活性化するに違いありません。
「関西を代表する私学になる」がこの学校のビジョンであり目標なのですが、もう射程距離に入ってきたと感じるのです。