読書で胆力

ここしばらくは読書の冊数に拘(こだわ)りたいと思っています。
今は月100冊の読破を目指しているのですが、毎月の目標はパーフェクトに達成しています。
こだわらないと100冊読まないと思うのです。
冊数を気にすると、読みやすい本ばかり読んでしまうという傾向も実はあるのですが、「月100冊」にはそれを上回る効果があるように思います。

社会のリーダー層は、その分野は違えども、すべからず本を読むべきだと思っています。
経済だけでなく、政治でも教育でも軍事でも医療でも、やはりリーダーが本を読まないと、その組織自体も進歩しません。

本を全く読まないで立派な経営をしている人がいることも承知しています。
ましてやお金儲けの上手さとなると、あまり読書量とは関係がないような気もします。
そのへんが私自身ちょっと引っかかる点だったのですが、ウォーレン・バフェットが1日に6時間読書していることを知ってからは、読書の大切さに自信を持ちました。

読書をすれば、知識が増えたり、賢人たちの智恵を得たりすることは当然なのですが、意外なことに胆力が練られるのです。
胆力というのは「物事に動じない気力」のこと。
こういうのは修羅場を何度もくぐり抜けたり、座禅でもしたりしなければ身につかないものだと思っていました。

しかし本の世界でも、先人たちの生き方を繰り返し学んでおれば、けっこう胆力がついてくるのです。
また少々の苦境でも、先人たちが経験したことを学習しているものだから、何となく解決の道筋が見えてくるのです。
従って苦境にビビることがなくなります。
本の世界での疑似体験と、信仰さえあれば、この世のことはかなり自信を持って乗り越えて行けるのではないかと感じています。

最近は読書用のタブレットも出てきて、従来の紙の本の存在意義が問われています。
もしタブレットで読めば、海外旅行に十数冊の本を持って行くこともないわけで、旅が随分と機動的になります。
読んだ本の置き場所に頭を悩ませることもありません。
しかしながら私などは、もうここまできたら今さらタブレットで本を読もうという気にはなれません。

紙の本を1冊ずつ読み上げるのは達成感があるし、良書が並べられている書棚からはオーラが出ているのを感じます。
もうこのまま本に埋もれて生きていくしか道はないと覚悟しています。