休まない派に属し、読書で鍛える

「働き一両、考え五両、知恵借り拾両、骨知り五十両、閃き百両、人知り三百両、歴史に学ぶ五百両、見切り千両、無欲万両」という言葉があります。
仕事において勤勉は基本中の基本ですが、いつまでも「働き一両」の段階で留まっていては面白くないのです。
特に会社の経営などしていると、どんどん上の段階に向かって進まないと発展性がありません。

一美容師からスタートし、今では全国でベスト5に入る美容チェーンにした人の本を、先日読みました。
本を読んでいると、この人が特別な才能に恵まれていたわけではないということがよくわかります。
それどころ美容師の前にやっていた工員では、本当にだらしなく、不良社員であったことが書いてあります。

ならば何がこの人の人生の分岐点だったかというと、それは最初に入った美容店で、たまたま「休まない派」に属したこと。
別に派閥ではないのですが「休まない派」と「休む派」があり、両者の間には大きな溝があったそうです。

著者は「休まない派」に入ってしまったので、本当に1日も休まずに働いたとのこと。
そうすると同じ「休まない派」の先輩から技術の勉強会のお誘いがあったり、入社わずか3ヵ月なのにまわりが一目置き出したり、自分より技術で優れている人たちがいっぱいいるのに店長に抜擢されたりと、さまざまな現象が起こり始めたのだそうです。

私もこの先「休まない派」に属そうと思います。
ただし仕事だけでなく勉強もしていきたいので、「休まない派」の意味は「会社を1日も休まない」ではなく、「睡眠と食事以外は休憩を取らない」ぐらいにしておこうと思っています。
旅やグルメは続けるのですが「生涯において働く姿勢を放棄しない」と言い換えてもいいかもしれません。

火曜・水曜を会社の定休日にしているのですが、その間の知的生活の充実度は群を抜いていて、もう1日休みを増やしたいぐらいです。
当然読書もその中に入ってくるのですが、本格的な読書をすると「知恵借り拾両」や、読書を基盤とした「閃き百両」や、「歴史に学ぶ五百両」や「無欲万両」などを得られる可能性があるように思うのです。

特に「歴史に学ぶ五百両」などは読書の独壇場だという気がします。
読書に本腰を入れると、単に知識や知恵を得るだけでなく、胆力や高い精神性まで鍛えられていくのがよく分かります。
その効力は禅を超えるのではないでしょうか。
従って「無欲万両」は読書と親和性が極めて強いと思うのです。