常若(とこわか)の思想

たいていの家庭はモノで溢(あふ)れていると思うのですが、使わないものを思い切って捨て去ると、家の中に「氣」が通りだし、運気がグンと良くなります。
これは自宅でも会社でも同じで、余計なものを処分して暫(しばら)くすると、何かしら調子よくなるのです。

私は会社ではトップ(社長)なので、会社においてはモノを捨てる権限を存分に発揮しているのですが、家庭ではその権限を発揮する範囲が極めて狭く、ひょっとしたら家ではトップでないのかもしれません。
先日、自宅の収納スペースにあった大きなスーツケースやカバンを5つほど処分しました。
スーツケースも進化していて、今の軽いスーツケースを使い出すと、昔の分は重くて使う気になりません。

実際に使っているモノを愛着をもって使用し、それ以外のモノは思い切って処分するのが、いい人生を生み出すコツのような気がするのです。
本当にいいモノを、数少なく所有するのがシンプルライフ
成功・繁栄・幸福への近道への一つだと思います。
あまりたくさんのモノを持つと、ひとつひとつを大事にすることが困難になります。

何度も書いたのですが、モノを捨てる際の「敵」は「もったいない」と「また使うかもしれない」。
モノを捨てることは執着を捨てることでもあります。
過去を捨てることでもあり、過去を捨ててこそ、また新しい「ワクワク未来」が来るのだと思います。
会社でもそうなのですが、過去の成功体験にいつまでもすがっていると、「今日の勝者」は「明日の敗者」になってしまいます。

伊勢神宮式年遷宮は20年に一度、新しい神殿をこしらえ、そこへ神様が移動なさいます。
それが1,300年間も続いているのは驚異でもありますが、その根底に流れている思想は「常若(とこわか)」。
古いものから新しいものへと、20年ごとに移動し続けることで、常にフレッシュさを保ち続けることが出来るというわけです。
これは日本人が古代から持つ智恵。
この「常若(とこわか)」の思想を会社経営や個人の生活にも活かしていきたいと思うのです。