ヘルシンキへの一人旅 その4

ヘルシンキにいると、何かしらアメリカのシアトルにいるような錯覚にとらわれることがあります。
街を歩いていて、「あれっ、自分は今どこにいるのだ?」と一瞬分からなくなる時があるのです(認知症でないことを願っています)。
ヘルシンキとシアトルの共通点を上げると次のようになります。
①雨が多い(少なくとも私の滞在中には降りました)、②街が清潔で安全、③街から洗練された知的な香りがする、④料理が美味しくない、⑤海が近くにあり、気持ちがいい。

フィンランドは長い間、スウェーデンやロシアに支配されてきたという歴史があります。
第2次世界大戦ではソビエトに対抗するため、わが同盟軍に所属していたということは、全く知りませんでした。
以前ハンガリーに行った時も初めて、ハンガリーが同盟軍について戦っていたことを知りました。
従って首都のブダペストは連合軍による空襲により、街が破壊されているのです。

ヘルシンキ3日目は、朝から雨が降っています。
きのう2階建ての観光バスで街を回ったので、今日はもうどこを見に行かなければいけないということもありません。
晴れていたら観光船で1時間半のクルーズを楽しもうかと思っていたのですが、いい写真が撮れそうにもないので、やめておくことにします。

夕方のフライトで日本へ帰るのですが、午後2時40分に頼んでいるクルマが来ます。
それまでは完全に自由。
海外のホテルで何も予定を持たずにユックリできるなんて機会は滅多にありません。
海外のホテルで一人でいると、自然に内省(ないせい)するようになるのです。
時差の関係で夜中に起き出すというようなことも“しょっちゅう”ですが、これ幸いと読書に励みます。
そんな時に限って、大いに自己啓発される本に出会うことも少なくないのです。

海外旅行へ行くと、視野が広くなるし、語学へのモチベーションが一段とアップします。
最近の私のように「本を読むために旅に出る」といったテーマを持つと、また違った楽しみが増えます。
海外で大型書店へ行くのも面白いですね。
以前にベルギーの書店へ行った時は、置いてある本がすべてフランス語だったので「空振り三振」だったのですが、シンガポールやマレーシアなどの大型書店は、英語の本が実に充実しています。

香港の書店で買った「英語の解説による中国語学習」のCD3枚は最高傑作で、いまだにこれを上回る語学CDに出会ったことはありません。
このCDは語学の勉強をしている感じがせず、音楽に乗って英語と中国語が話され、聞いているうちにまずは英語がブラッシュアップされ、ついでに中国語も格段に上達すること間違いなしなのです。
諸事情により、私の中国語学習が中断しているのは、誠に残念であります。