やるべきことはただ一つ

今までの経営人生を振り返ってみると、懸命に努力するとそれなりの成果が上がったのですが、そこで安心したり、天狗になってしまったり、楽しようとしたりすると、途端に失速してしまうパターンの繰り返しだったように思います。
私は一生バリバリの現役で働くつもりなのですが、生涯にわたり「楽しよう」などとは、けっして思わないでおこうと決意しました。

以前90歳ランナーのお話を聞いたことがあるのですが、そのモットーは「楽しく、ムリせず、楽もせず」でありました。
私も「楽はしない」けれど「楽しもう」とは思っています。
一生頭を使い、体を使い、ボケずに死ぬまで突っ走れたらどれほど幸せでしょうか。
「楽しなくてもいい」と思うと、逆にひじょうに気持ちが楽になりました。
もう迷うことなく、汗をかいていこうと思うのです。

楽をするという意味ではなく、人に任せることが出来るものはドンドン任していきたいと思っています。
すべて自分でやろうと思ったら、時間が“とてもじゃない”けど足らないのです。
社員に任せるのも一つの方法だし、アウトソーシングしてしまうのも有力な一手段です。
自社の本体は小さくても、アウトソーシングして雇用を社外に生み出していきたいと思っています。
そのためにもガンガン仕事をやっていこうと思うのです。

限られた時間や体力の中で、思っている半分のことしか出来ないことが“しょっちゅう”あります。
努力や工夫だけでは“どうしようもない”ことが多々あり、歯がゆい思いをしていたのですが、こんな自分も許すことにしました。
自分は「やりたいことを淡々と楽しんでやっていくだけ」でいいのではないかと思えるようになりました。

過程を存分に楽しみ、成果は神様に委ねてしまえばいいのです。
結果に心とらわれず、仕事を生涯にわたって楽しんでいく人生なんて、どう考えても幸せではないですか。
それにたいていの場合は結果がついてくるのです。

自分がコントロールできるものと、出来ないものをハッキリと認識しなければいけません。
例えば寿命はコントロールできません。
それは神様の分野。
神様の分野にまで首を突っ込み”とやかく”心配するのは僭越というもの。
自分が出来るのは「努力の継続」ただそれだけ。
ならば余計なことに煩(わずら)わされることなく、「努力の継続」に意識を集中していけばいいだけなのだと思うのです。