まずは名前を付けてみること

ブリックスという言葉があります。
BRICsです。
ゴールドマンサックスが顧客への定期報告書に初めて使った言葉です。
Bはブラジル、Rはロシア、Iはインド、Cはチャイナ、即ち中国です。
新興国を表す言葉で、最後の小文字のsは複数形を表していました。
この言葉ができてから、実際にこれらの国の首長が集まって、定期的に会合を開くようになりました。
しかも最後のsが大文字のSになり、サウスアフリカ南アフリカ)を表すようになり、その国もその会合に参加するようになりました。

これなど最初に言葉ができ、後になって実体が形作られていった典型的な例だと思うのです。
アニュアルレポートを書いたゴールドマンサックスの担当者も、自分が作った造語がまさかここまで具現化していくとは夢にも思わなかったに違いありません。
「言葉が先、実体は後からついてくる」というのは、この世の法則の一つなのかもしれません。

私の知人の不動産コンサルタントは、自分が実践したコンサルティング手法に、まずは名前を付けるとのこと。
そうするとその手法がだんだん肉付けされ、一つの有効なシステムに育って行くのだそうです。
ぼうっとした形で、その内容がまだハッキリと形成されていない時に、名前を付けてしまうと、一気にそれがこの世に誕生するという感じなのです。
後はジックリ育てていけばいいだけなのです。

ということで、わが「デグチ・メソッド」だって、今のところ全く内容が伴っていないわけですが、こういうのは「名前の付けたもの勝ち」であると思うのです。
デグチ・メソッドとは、一応「社会人のための語学学習システム」と「多読システム」のことなのですが、自分自身がそのシステムの優秀さを実証しなければ迫力がありません。
英語やドイツ語は今までから勉強してきたわけですが、仮に今後全く新しい言語を修得したとしたならば、60歳代でゼロからのマスターということになります。
これはちょっとスゴイことではないかと思うのです。