猿田彦神社

伊勢神宮の内宮の近くに「猿田彦神社」というのがあり、前から気になっていたのです。
手塚治虫の名作「火の鳥」にも猿田彦という人物が登場していたからです。
内宮参拝の帰り、猿田彦神社にもちょっと寄ってみることにしました。
普通の神社と比べるとかなり大きい神社なのですが、内宮に行った後なので随分シンプルに感じました。

猿田彦大神(さるたひこおおかみ)は、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天上界から地上の高千穂へ向かう時に、道案内をした神様です。
従って猿田彦大神の神徳というかキャッチフレーズは「みちひらき」。
人生や仕事や学業の方向を上手く導いて下さる神様なのです。
また伊勢の一帯を開拓されたので、建築や地鎮の神様でもあります。

猿田彦大神の子孫である大田命(おおたのみこと)は、自分が治めていた地を譲り、そこに内宮が作られました。
猿田彦神社には「猿田彦大神」とともに「大田命」も祭られています。
猿田彦の子孫は「宇治土公(うじとこ)」という姓で、代々猿田彦神社宮司を司ってきているそうです。
従って今の宮司さんの名字も「宇治土公」。
2,000年以上連綿と、神様の子孫が宮司を司(つかさど)っているなんてスゴすぎます。

猿田彦神社の境内に「佐瑠女(さるめ)神社」というのもありました。
このご祭神は「天宇受売命(あめのうずめのみこと)」。
天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩屋に籠(こも)ってしまわれた時に、この天宇受売命(あめのうずめのみこと)が外で面白い踊りを舞い始めました。
それを見て神々がどっと笑い、天照大神が何事かと岩屋を開け、再びこの世に日が差したとの話が古事記に書かれています。

従ってこの天宇受売命(あめのうずめのみこと)は芸能の神様として尊ばれているのです。
現に多くの芸能人が、この神社にお参りに訪れているようです。
このことは後から知ったことで、訪れた時は地味な神社だったので参拝しませんでした。
神社というのは何回も足を運んで初めて知ることも多く、最初はピンと来なくても、訪れているうちに分かってくることも多いように感じます。