ドイツ語の変な「ややこしさ」

ドイツ語の名詞には「男性名詞」、「女性名詞」、「中性名詞」の区別があります。
例えば「太陽」はドイツ語でゾンネ(Sonne)というのですが、これがイメージと違い「女性名詞」なのです。
しかも「月」(Mond)は男性名詞。
またゼー(Sea)という単語は、湖という意味の場合は「男性名詞」、海という意味の場合は「女性名詞」なのです。
今までのドイツ語になかった、全く新しい名詞(そのほとんどは外来語)の性はどう決まるのかと言えば、それは「何となく気分で決まってしまう」のだそうです。

ドイツ語には英語と同じように冠詞があり、しかもそれが名詞の性によって変化するので、その“ややこしさ”は半端でありません。
私に言わせれば「変なところでエネルギーを使いすぎだ」ということなのです。
今までそんなことにイチイチこだわらず「間違いを恐れずに」話していた私は、今ウェブレッスン上で1対1で学ぶに際し、かなり混乱しております。
これはもう覚えるしか仕方なく、ドイツ語を母語とする人たちは小さい頃から何度も何度も使っている間に覚えるのでしょう。

ドイツ人は外国人が「名詞の性」を間違えるのには慣れているのですが、仮に名詞に冠詞をつけ忘れた場合は、非常に気持ち悪く感じるのだそうです。
日本語を始め東洋語には冠詞をつける習慣がなく、ついつい忘れがちになります。

その言語にとっては重要なことでも、他の言語では省略されたり、簡便化されたりしていることはよくあります。
例えば「私」という人称名詞の変化は、英語だと「I・my・me」だけですが、ドイツ語だともう一つ増え「Ich・mein・mir・mich」となります。
これが中国語だと「我・我・我」で済んでしまうので、いかに中国語の文法は簡単かということがよく分かります。

英語は元々ドイツ北部で話されていた一方言だったのですが、それがいつの間にか世界言語になりました。
世界言語になる過程で、どんどん言語自体が簡便化されてきたと思うのです。
従ってドイツ語やフランス語と比べると、英語は文法的に随分使いやすくなっています。
だからますます世界言語としての価値が出てくるということになるのでしょう。