台湾のカラオケスナックに行く

海外旅行をすると、必ず得るものがあります。
その時は気がつかなくても、じんわりと後で身についてくることもあります。
海外で飛行機の乗り換えがあり、先の飛行機の故障によって、肝心の日本行の飛行機に乗り損ねる経験をしたことがあります。
その時は心細くて大変なのですが、そんな体験ですら、あとになると印象深い旅になるから不思議です。

一人旅が多いこともあり、治安の悪い国は負担が大きすぎて行けません。
また先進国でもアメリカのように、相当危険なエリアがある場所へは決して足を踏み入れません。
危険な場所はすぐに分かります。
通りが荒れている、アダルトショップが並んでいる、家族連れや“まとも”そうな人が歩いていない…等々です。

日本の旅行でもそうなのですが、夜の歓楽街に行くことはまずありません。
早くホテルの部屋に帰って早く寝る(そして早く起きる)方が、よほど時間の効率はいいわけです。
私自身はサラリーマンではないため「つき合いの悪さ」を咎(とが)める人がいないのはラッキーです。
たまに誘われても「宗教上の理由で行けないのです」と言うと、そんなことを言う日本人はまずいないので、いつも笑って許されます。

今回台湾ではお世話になった方から誘われ、カラオケスナックのようなところについていきました。
普段は会社でも家庭でもタバコの煙ゼロのところにいるので、油断していて「タバコの煙モア〜」状態に身構えることもなく突入してしまいました。
中はほとんど満席で、カラオケの音がガンガン鳴り響いていました。
お金を払って他人の下手な歌を聞かなければならないというのも、考えてみれば不条理な話ではありませんか。

そこは日本語が通じるお店で、日本人が7割ぐらい、あとは地元のお客さんといった感じでした。
台湾の若い女性が接待してくれるので、もし自分が台湾に単身赴任していたら足しげく通うかもしれないとも思いました。
たぶん中国語も急速にマスターするに違いありません。
このお店の時ほど「自分も中国語が話せたらなあ」と強く思ったことはありません。
でも台湾のスナックへ行くがために中国語を勉強するというのも、動機づけとしては“やや”希薄な感が否めないのですが、いかがでしょう?