各言語の標準語地域

外国人がその国の言葉を覚えようとする時、やはりその言語の標準語が話されている地域で学ぶ方が、変な訛(なま)りがつかないのでいいように思います。
例えば外人が関西弁を話すとオモロイけれど、日本語学習としては違和感があります。

従って日本語を学ぶのなら東京ということになります。
これがイタリアならフィレンツェ
この地域はキレイなイタリア語が話されているので、イタリア語学校も多いようです。
フランスならトゥールという街が、フランス語の標準語地域なのだそうです。

カナダのモントリオールケベックではフランス語が話されていますが、やはり「カナダのフランス語」であって、フランス語の標準語とは言い難いかもしれません。
私個人的にはカナダが好きなのですが…。

ドイツはハノーファーが標準語と言われています。
ドイツが統一されたのは、日本が統一された明治維新よりも3年も後なのです。
従ってドイツでは「地域主義」の意識が強く、その地域のラジオやテレビでも、平気で「方言」が使われているようです。

マルティン・ルターが聖書をドイツ語に訳したのですが、それが「統一ドイツ語」となり、今のドイツ語の文法はそれが元になっていると読んだことがあります。
そうするとマルティン・ルター宗教改革のみならず「ドイツ語改革」も同時に行ったことになります。

中国は人口も多いし、面積も広いので、それぞれが全く通じない「中国語」が多数存在します。
今の中国語の標準語は主に中国東北部(つまり旧満州)で話されていた言葉でもあります。

中国語には「四声(しせい)」と言って、イントネーションによって同じ言葉が全然違う意味を持ちます。
地方で話される中国語の中には「六声」というのもあり、あまりに“ややこしい”ので、ジンギスカンが「四声」の中国語を標準語に定めたと聞いたことがあります(ちなみにベトナム語も六声です)。

学校での授業やテレビでの会話は「北京官話」と呼ばれる標準語が使われるわけですが、3割ぐらいの人は、その標準語が話せないとも言われています。
中国本土は略された漢字を使っていますが、香港や台湾では昔からの漢字を使用しています。
略字系の漢字を使った時点で、文化の歴史的断絶をもたらしたように思うのです。

英語はグローバルになり過ぎて、どこの地域で標準英語が話されているのかがさっぱりわかりません。
イギリスなのか、アメリカ西海岸なのか、あるいは東海岸なのか?
「セブ英語留学」(フィリピンのセブ島)というのが人気を呼んでいるようですが、ニュージーランド(のような訛りの強い国)へ行くよりも、ずっと効果的かもしれません。