流行り廃り(はやりすたり)

一つの仕事を何年もかけて貫いていくというのはカッコいいし、私も憧れているところがあるのですが、最近はどんどん変化していくほうが大事ではないかと感じるようになってきました。
同じ仕事をしていると、正直言って飽きるのです。
また市場自体も変化していて、それに対応していこうと思えば、自分(自社)が変化していかないと時代に完全に取り残されることになります。

コダックという会社は超優秀な会社であったわけですが、デジタル化の波が押し寄せてきたのに、それに上手く対応できず、あっさり倒産してしまいました。
そのコダックのライバルが富士フィルムだったわけですが、こちらの方は事業転換しながら今も盛業中です。
この差はひとえに経営者の能力の差と断言できるのではないでしょうか。
どちらの社員も、同じように優秀だったと思うのです。

石炭産業が盛んな時は、優秀な学生から石炭会社に就職していきました。
しかし今はそんなところに就職する学生はいないはずです。
就職する学生の人気ナンバーワンである時が、その産業のピークなのかもしれません。
会社の寿命は30年と言われていますが、超優秀な会社に入社したつもりが、定年の頃にはその会社の主力事業はボロボロになっている可能性が高いのです。

先日ペンション村を見学(散歩)してきたのですが、半分ぐらいのペンションが営業していなかったり、売りに出したりしていました。
ペンションの経営は相当難しい部類に入るのではないかと思ったものです。
5,000万円ぐらいの資金を確保した人が、脱サラでペンションを始めたケースも少なくないと思うのですが、失敗する確率の方が高いのではないかと推測します。

近所でオープンする小さなレストランや居酒屋を見ていても、2年ぐらいで店を閉じることがよく見受けられます。
昔「屋台村」などというのが流行ったことがありますが、いまは全く廃(すた)れてしまっています。
新しい形態の商売は、2年ぐらいで元が取れるように計算しておくぐらいでちょうどいいのかもしれません。

昔プリクラが流行った時に、何台もプリクラの機械を設置していった人を知っています。
ブームの間は大儲けできたのですが、その人は自分で集金に回っていたおかげで、ブームの終焉を感じ取ることができ、その事業から上手く抜け出すことができたそうです。
ちなみにプリクラを作っていたメーカーは、莫大な利益を出していたのに、ブームが去ると倒産してしまったのだそうです。