需要と供給

高校を卒業し、若い頃から一度も会社に務めることなく、さまざまな商売を経たのち、不動産業で会社を上場にまで持っていった人を知っています。
最初は屋台から始めたのだそうです。
そのほか私が知っているだけでも、ゴルフ場用地買収業(やっていたのは何と20歳代の前半だったそうです)や墓石販売業や不動産買取り業があり、どの商売でも大成功を収めたとのこと。
この人が口を酸っぱくして言う「商売のコツ」が「すべては需要と供給で決まる」なのです。

考えてみれば当たり前の話なのですが、その当たり前を忘れて天動説でモノゴトを考えてしまうから失敗するのでしょう。
不動産の仲間を見ていても、大手の不動産会社も進出しないような田舎でナンバーワンの会社は非常によく儲けています。
また逆に東京のような需要の多いところでは、ライバルが多すぎて上手くいかない会社も多くあります。

ブルーオーシャン」とはライバルが少なく、悠々と商売ができる市場のこと。
また「レッドオーシャン」とは、競争が激しすぎて生き残ることすら大変な市場のことです。
新しい概念で「グリーンオーシャン」というのがあり、ダントツの得意技や商品を持つ場合、一挙にライバルが減ってしまい、自分のペースで商売が出来る状態のことを指します。
逆に言えば自社のダントツを徹底的に磨けば、どんな市場でも勝負ができるということでもあります。

少し話が違うかもしれませんが、斎藤一人さんの本を読んでいたら、大変面白いことが書いてありました。
「世の中には誉められたい人はたくさんいるのだけれど、誉める側に回る人はひじょうに少ない。だから誉める側に回れば、一挙に競争率が低くなる」。

これを読んで私も誉める側に回ろうと思いました(単純なのです)。
褒められようとするには、いろいろとコストもかかるかもしれませんが、誉めるのはコストゼロなのです。
しかもライバルが少ないから「誉める私」の存在は希少価値となり、あっという間に値打ちが上昇。
誉めた相手も自分の誉め言葉によって活性化するかもしれないし、それを見た自分もうれしくなるに違いありません。

誉めるためには「誉めるところ」を見つける気持ちと能力と素直さが必要です。
自分を「無」にしないと、心から相手を誉めることは出来ません。
誉めるということは、なかなかレベルの高い技なのであります。