会社繁栄「掃除道」 その21

毎日の掃除の「適正時間」はどれくらいかというと、私が20年間続けてきた経験では「1時間半」ではないかと思います。
それ以下だとなかなか「いい掃除」にはなりにくいし、それ以上だと本業の仕事に差し障りが出てきます。
いずれにせよ肝要なのは続けることではないかと思います。

1時間半の中には掃除だけでなく、整理整頓に費やす時間が含まれていていいと思うのです。
倉庫の中を整理整頓していると、在庫の状況が非常によく分かり、過剰在庫や欠品が防げます。
道具や備品を置いている場所も、自然に頭の中に入ってくるので、探し物に時間を取られることもありません。

棚にモノを置くときは、小売店で商品が並べられているようにします。
前に置かれているもので、後ろに置いてあるものが見えないようではいけないのです。
あるいは別の種類の備品や用紙を積み重ね、下に何が置いてあるのか分からない状態も困りものです。

もしモノを置くスペースが十分にない時は、いらぬものを捨て去るに限ります。
「捨てる」という作業は判断力が問われ、後で責任と取らなければいけないと思うと、なかなか捨てることが出来ません。
従って「捨てる」作業はトップの仕事なのです(もちろん手伝ってもらってもいいわけですが)。

トップが片付けないと、職場はけっして片付きません。
お店やオフィスが雑然としているのは、すべてトップの責任。
会社なら社長だし、お店なら店長です。
「整理・整頓・清掃」が行き届いている場所で働いていると、自然に気持ちも整ってくるし、その逆なら心が荒(すさ)んでくるのは間違いありません。

毎日「整理・整頓・清掃」をしていると、変なものが変なところに置かれていると、すぐに気がつきます。
それを気づかずにそのままにしていると、どんどん職場が乱れてくるのです。
「変なもの」は誰かが勝手に置いたものかもしれないし、本来片づけるべき場所に片づけられていないだけかもしれません。
そういったものをトップがサッと片づけてしまえば、何事もなかったように「凛とした心地よい職場」が保たれるというわけです。