日本経済の底力 その2

海外の大手アパレルメーカーが最近「日本回帰」とも言える面白い動きをしています。
ある外資系アパレルメーカーは、市場拡大が続いていた中国の商品企画部門を閉鎖し、日本にヘッドクォーターを持ってきました。
その理由は「日本の消費者のレベルの高さ」。
買い手のレベルが高いと、それに合わせた質の高い商品を作らざるを得ません。
日本以外のアジアで企画していたのでは、レベルの高い商品が出来ないのです。

またその外資系アパレルメーカーは、アジア全体の規格を「日本規格」で統一するのだそうです。
「日本の消費者のレベルの高さ」が強みになるなど、当の日本人自身もあまり気がついていないことではないでしょうか。

日本は「モノづくり」の強さばかりが強調されてきたのですが、「おもてなし」のレベルも世界最高水準にあるように思います。
料理におけるミシュランの星は、東京の方がパリよりも“より輝いて”いるそうですが、星のついたレストランの共通点は、料理がおいしいだけではなく、接客が抜群にいいのです。

おもてなしの心は、いま急に始まったものではなく、昔から日本人が備えていた資質でもあります。
高級旅館や高級料亭の接客を、もっと胸を張って世界に誇ってもいいのではないでしょうか。
海外から日本への観光客数は依然少ないのですが、まずは世界のリーダー層や富裕層に、日本の最高レベルの「おもてなし」をアピールし、しかる後にすそ野を広げていってもいいのではないかと思うのです。

いま日本は大きな変革が起きようとしている時期かもしれません。
経済や政治や社会などのあらゆる分野で、今までやり方が通用しなくなり、新しい変化の兆しがアチコチで出現しています。
新聞を読んでも、ダメになる分野ばかりに焦点を合わせるから悲観的な記事になるのです。
そうではなく、新しい時代の最先端の兆候や気配を発見し、それを伝えていくのがマスコミの使命だと思うのです。
いずれにせよ日本は次の飛躍のために、いま水面下でエネルギーをシッカリと貯めているところなのです。