話題がアチコチに行く経済の話 その3

民主主義というのは独裁を防ぐには、ひじょうにいい制度だと思います。
ただし効率という意味では、もうひとつ。
民主主義は時間とコストがかかります。
シンガポールなどは民主主義だけど、優秀で強力な政府がグイグイ引っ張っていくものだから、小さな国なのに極めて経済効率が高いのです。
資源も何もない国なのに(水すらない)、一人あたりのGDPは日本を超えてしまいました。

国政というのは「国家経営」でもあります。
県や市の行政は「自治体」経営。
従って経営力のある人に政治を任せたいわけです。
しかしながらまずは選挙という難関を超えるのに、莫大なエネルギーを使わなければなりません。
優秀な経営者が仮に立候補するにしても、選挙に通るかどうかは、また別問題なのです。

会社の社長を決めるのに、選挙で選ぶようなことはしません。
手当をいっぱい出し、労働時間を大幅に減らすことを公約に挙げた人が、社内の選挙で当選したとしたら、会社はおかしくなること必定です。
こうして考えると、選挙というのは最善のシステムではないように思えるのです。

さてさて、話が少し横へ飛びました。
2012年は世界経済が相当厳しくなると予想されます。
ここはひとつ本気で手を打っておきたいものです。
まずは借入を減らすということ。
B/Sの左側を見て、手っ取り早く売ってしまえるものは売ってしまうことです。
たぶん損切りしなければいけないものも多いでしょうが、その分税金も減るし、身軽になったところでまた頑張ればいいのではありませんか。

次にはコストの削減。
あまりに当たり前すぎて、書いている方も面白くありません。
コストの中でも、やはり人の問題が一番大きいように思います。
不動産業界を見ていても人数が多いところは、いっときは派手に売上を上げているように見えても、ちょっと市況が悪くなれば、すぐに苦しくなっています。
むやみに人を増やさないことです。

自社のコアは何かを早く見つけ(あるいは決め)、コア以外の部分はアウトソーシングするのが一番だと思うのです。
そのかわりコア部分は徹底的に磨きをかけ、どこにも負けないようにするのは当然です。
中にはコアが見つからない事業部門もあるかもしれません。
そんな時はあっさりその部門をカットしてしまう決断も必要ではないでしょうか。
要は会社を身軽に機動力ある状態にしておく。
そしてチャンスにさっと動けるようにしておくことです。
ピンチの時代はチャンスが転がっているのですから。