「人手のいらない累積経営」を目指そう!

「不動産屋は勉強しない」と声高に言ったとしても、それに異議を唱える人はいないはずです。
不動産業の平均従業員数は3.2人。
完全に零細の部類に属します。
生き残るには、やはり新しい形態を取り入れるしかないように思うのです。
友人の中にはマンスリーマンションやコンテナ倉庫に事業展開し、今はそれがメインの収入源になっているところがあります。
今までのように仲介業や管理業だけを当てにしていたら、今頃は他社と同じように四苦八苦していたに違いありません。

いま東京圏で伸びているシェアハウスなどは、本来不動産業者が扱うべきものなのに、業界を完全にスルーしています。
客付けは100%インターネット。
ふつうの不動産業者がシェアハウスのことを聞かれても、ちゃんと答えられないと思うのです。
新しい業態を自分たちの手で開拓していかなければならないのに、他業種の人たちによって取り行われているのは、どう考えてもおかしいわけです。

例えば売買仲介などは、今月いくら契約を上げていても、来月になればまたゼロからの出発になります。
不動産業を営む友人も「今年も昨年までのように契約が出来ていくのだろうか?」と、正月はいつも憂鬱だったと語っていました。
私は28歳から不動産会社を経営していますが、ずっと考え続け、出てきた答が「累積経営」。
累積経営なしでは、安定も継続も難しいと思うのです。

毎月ゼロからのスタートの売買仲介のウェイトを減らし、賃貸管理に移行していった友人がいるのですが、管理物件が増えるごとに人手が必要になり、今度は人の管理が大変になってきたそうです。
結果、コンテナ倉庫に特化。
「『人手のいらない累積経営』にこそ活路を求めるべきだ」には、私も100%同意です。

東京の友人はマンスリーに特化しました。
思考錯誤の末、東京の中でも需要の強い地域3カ所に絞ってマンスリーを展開。
順調に行っていたのが、東日本大震災の後、需要が急減したのだそうです。
ところが「窮すれば変ず」で、新たな妙手を発見。
具体的な手法は書けないのですが、今はまた見事に売上を戻し、過去最高の利益を更新しているようです。
この友人は、テクニック的なことはともかく、ある勉強会で「中小企業の業績など、社長のやる気一つでどうにでもなる」ことを学んだのが大きかったと語ってくれました。