シェアハウス その2

シェアハウスのキーワードは「入居者同士の交流」。
ただし各自「住まい方」のスタンダードが違うので(例えば整理整頓)、やはり管理会社がそのスタンダードを整える必要があります。
入居者にとっても管理会社が入る方が安心でもあります。

いまシェアハウスは首都圏に集中しており、物件は豊富にあるようです。
シェアハウスの需要がどこまで増えるかは分かりませんが、供給過多になると、賃料の値崩れが起こるかもしれません。
シェアハウスの形態自体は昔からあるのですが、若い一般の日本人がシェアハウスを使い出したのは最近のこと。
独特の管理ノウハウが必要であり、今なおそのノウハウは蓄積され続けています。

シェアハウスの管理は合理化も可能でしょうが、結局はある程度の手間暇がかかるのは間違いのない話で、そう簡単に手が出せる分野ではないと思います。
シェアハウスのセミナーを聞いてみて「当社では取り扱いは無理だ」と分かったのが、一番良かったのではないかと思いました。
シェアハウスは学生に人気があるように思いますが、実は30歳前後の社会人が一番活用しているのだそうです。
しかも男女比は3:7。
いま市場に存在するシェアハウスは全部で1万室ぐらいとのことです。

景気が悪いと、家賃の安いシェアハウスが伸びると考えられますが、実態はその逆だそうで、むしろ景気がよくなる方が需要が多いのだそうです。
シェアハウスは前向きなメンタリティの時に伸びる傾向があり、従って今回の大震災はシェアハウスにとっても、かなりマイナスの影響をもたらしているようです。

シェアハウスのユーザーのイメージは「成熟した単身者層」。
晩婚化による単独世帯の増加が影響しているのでしょう。
「面白そうだ」や「一人暮らしに飽きた」というのがシェアハウス利用の動機であり、「寂しい・怖い・退屈」から「楽しい・心強い・充実」への移行でもあります。
シェアハウスはガス代がよくかかると言われるのですが、これはみんなが料理をよくするからだそうです。
コミュニケーションは一緒に食事することから生まれます。

シェアハウス利用は「狭い・ショボイ・ムダ」から「広い・充実・合理的」への変化にもつながります。
「一定の経済力」や「一定の社会性」を備えた社会人が、やや趣味的にシェアハウスを活用しているのが実態のようです。
また完全な自主管理ではなく、管理会社が介在するからこそ、入居者同士のゆるやかでフラットな関係が実現でるとも言えます。

通常の賃貸物件もシェアハウスも「立地」が一番大切。
それ以外の要素では、通常の賃貸物件では「築年」が大きなウェイトを占めますが(従ってリフォームは重要)、シェアハウスの場合は築年よりも「管理」と「企画」。
今や「シェア住宅管理士」講座なるものも、開講されているのだそうです。