各業界の傾向と対策

一世塾の例会がありました。
今回のテーマは「私の業界はこうなる⇒わが社の対策」です。
一世塾のメンバーは現役の経営者という共通項があるのですが、異業種・異世代のグループです。
各自の従事する業界について書いてみます。

まずはビルメンテナンス業界から。
市場規模は3.5兆円で、従事する従業員数も96万人と、思ったよりも大きな業界です。
「独立専業型」と「大手企業系列型」と「特殊団体系列型」とに3分類されるようです。
大手企業系列型は、電鉄・不動産・ゼネコンなどの大手企業のビル管理部門が分社化したもの。
特殊団体系列型は官公庁の外部団体の関連会社で、主要顧客は当然その団体となります。

ビルメンテナンス業は東京圏と関西圏とで、売上げが50%を超える典型的な都市産業でもあります。
一世塾のメンバーの対策は、①得意先の業種を絞り、その業界に特化していく、②下請けをしない・官庁物件は扱わない、③固定費(人件費を含む)を増やさない、④ビルコスト削減の提案をしていく、というものでありました。

薬局業界は「調剤薬局」と「ドラッグストア」と「個人系の薬局」の3つの形態に分かれるのだそうです。
ここ数年、薬剤師の数が足らず、給与が2倍ぐらいにまで高騰していたのですが、制度が変わって給与が元の水準に落ち着き、経営が成り立つようになってきたとのこと。
「得意な分野でのネット販売に力を入れる」が一世塾のメンバーの対策です。

司法書士業界は次の通り。
司法書士の数は、ここ10年ほどで1万7千人から1万9千人へと10%ほど増加。
反対に仕事数(登記数)は2割ほど減っているので、やはり厳しいわけです。
単純に計算すると、司法書士一人当たり3割ほど仕事量が減っていることになります。
開業2年目のメンバーは「徹底的にお客様と向き合う」方針。
またベテラン司法書士のメンバーは「成年後見人・相続登記・訴訟案件」を増やす戦略です。

また製造業のメンバーは「整理・整頓・清掃」の徹底実施と研究開発費の強化。
また住宅関連商品を製造しているので、それらのネット販売を試みているのだそうです。
ネット販売は個人対象の商品だけでないので、企業から突然大きな注文が入ってきたりすることがあるそうです。