会社繁栄「掃除道」 その2

やり始めると、掃除自体は結構面白いものなのです。
ただ、掃除と「早い出社時間」とは対になっていて、朝遅く出勤するわけにはいかないのです。
掃除の効用は分かっているのに、掃除が続かない人がたまにいるのですが、それはやはり会社に出てくる時間が遅いから。
少なくとも営業時間の1時間前には出てこないと、掃除をする時間がありません。
本当は2時間以上欲しいですね。

イチローだって試合時間のずっと前にスタジオに来て、十分な準備をして試合に臨んでいるではないですか。
朝9時が始業時間なら6時半ぐらいには、会社に出たいもの。
例え掃除をしないにしても、経営者が早朝に出社している会社が、そう簡単に潰れるようには思えません。

掃除の代わりにデスクワークをやっても、ものすごく効率が上がります。
以前に朝5時に出社していたことがあるのですが(今はその時間にワンちゃんとの散歩をしています)、始業時間の朝9時までには「ふた仕事」くらい終わっていました。

時間がたっぷりとある時の掃除は楽しいのですが、時間のないときの掃除は焦るだけで、ちっとも面白くありません。
また自分が進んでやる掃除は面白いのですが、強制されての掃除は、ちっとも楽しくないのです。
経営者が掃除を始め、その効用に気づくと、社員にも勧めたがる傾向があるのですが、やはりこれはなかなか難しいのです。
あのイエローハットさんであっても、全員が掃除に取り組んでいるわけではありません。

20年間掃除をやり続けてきましたが、その間の心境はさまざまに変化してきました。
最初は単純に面白くてハマってしまうのですが、少しすると「俺が掃除をしているのに、どうして社員は手伝わないのだ」という気持ちが出てきます。
掃除の最初の魔境です。
経営者以外の最初の社員が掃除を手伝い出すのに3年かかります。
鍵山秀三郎先生のところでもそうだったし、当社でも3年でした。
ひょっとしたら一つの法則としてあるのかもしれません。