会社繁栄「掃除道」 その15

たっぷりとした時間がないと「いい掃除」ができません。
掃除と早朝出社は対(つい)になっていて、やはり朝早く会社に出ないと“まとも”な掃除はできないように思います。
私も朝6時半過ぎには出社するのですが、ちょっとした書類の片づけをしたり、リンゴ2個の朝食を会社で取っていたりすると、ついつい掃除にかかる時間が遅くなることがあります。
そんな時は気持ちが焦って、精神的に「いい掃除」にはなりません。
実は掃除をしている間に、心の整頓もしているからです。

掃除を単に物理的にキレイにすることだと考えていては、掃除の本質を見誤ってしまいます。
掃除には「物的」なもの、「肉体的」なもの、「精神的」なもの、そしてスピリチュアルな「霊的」なものが、すべてが含まれているからです。
まずは健康で今日も掃除ができることに感謝することから始まらないとウソだと思うのです。
腹を立てて食事をしていたら、体に悪いに決まっています。
それと同じで、ゆったりと落ち着いた気持ちで取りかからないと、本来の掃除の真価が発揮されないのです。

雑な気持ちだと、雑な掃除しかできないし、雑な掃除をすると、みんなの気持ちまで雑になってしまいます。
以前は社員にも半ば強制して掃除をしてもらっていたのですが、その中に、気に入らない人の机は拭かずに飛ばしていくという人がいました。
気持ちは分かるのですが、やはりその人は営業の方も、ちっとも成績が上がりませんでした。
気持ちが入っていない人に掃除をしてもらっても「氣」が乱れるだけでダメなのです。

逆に本当にいい掃除が出来ている時は、その人からオーラが出ています。
私は今まで掃除でオーラが出ている人を2回見たことがあります。
ちょっと厳しいようですが、1時間半ぐらいの持ち時間がないと「いい掃除」にはなりにくいように思います。
できれば2時間。

「掃除をやっている暇があるなら仕事をやった方がいい」という考えもあり、実は私も何度も自問自答したことがあります。
しかしながら結局、掃除を止められずに20年間続けてきました。
私が若い頃から知っている経営者の中には、仕事が図抜けてできる人たちがいました。
そして上場まで達成してしまった会社が5社ほどあります。
しかし今その5社中4社が債務超過
私は20年間掃除ばかりして、いまだに小さな会社なのですが、資金繰りに困ることは全くありません。
やはりこれも掃除の効用だという気がしてならないのですが、はたしてどうなのでしょう?